どうせなら増税前に
豪雨でも想定以上の客足

「この2週間、たくさんのお客さまにご来店いただきました。すでに一部の商品は品薄状態です」

 増税前の最後の日曜日となった3月30日、新宿伊勢丹本店の時計売り場では嬉しい悲鳴が聞かれた。品薄状態の商品というのは100万円近い高級腕時計。これが次々に売れているという。

「4月1日以降、メーカーの価格改定で定価が上がるということも影響していますが、やはり消費増税の前に買っておこうというお客さまが多いです」

 同じ頃、銀座でも同様に時計売り場の販売員がお客を待っていた。台風のような暴風雨だったためか、午後1時を回っても時計売り場を訪れる客はまばら。しかし販売員は「もう少しすればたくさんのお客さまがいらっしゃると思います。3月に入ってから、増税前に買っておこうというお客さまがほとんどですね」と話す。

 こうした販売員の予想通りか、それを上回ったのかは定かではないが、三越伊勢丹ホールディングスは3月の月次売り上げについて「想定よりも売上高は超えていた。宝飾、時計関係の売上高が特に伸びた」と語る。