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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

ポストの空席を自動的に埋めてはならない

上田惇生
【第53回】 2008年4月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
実践する経営者
ダイヤモンド社刊
1800円(税別)

 「未来の組織は、現実のものになりつつある。それは、情報が地軸となり構造体となる組織、つまり情報型組織である」(『実践する経営者』)

 情報型組織は平らである。マネジメントの階層が従来の組織に比べ圧倒的に少ない。ドラッカーによれば、ある大手の多国籍メーカーは、12の階層のうち7つを廃止したという。

 それらの階層は、権限の階層でも、意思決定の階層でも、管理の階層でもなかった。情報の中継器にすぎなかった。情報を集結し、増幅し、組み替え、発信するだけのものだった。

 マネジメントの階層が増えるごとに、組織は硬直性を増していく。階層の一つひとつが意思決定を遅らせる。情報量は情報の中継点、つまり階層の数が1つ増えるごとに半減し、雑音は倍になる。

 今こそミドルの減量を開始するときである。一つの方法は不補充である。あるポストが定年退職、死亡、辞職によって空席になっても、自動的に埋めてはならない。検討すらしてはならない。6ヵ月から8ヵ月、空席にして静観すべきである。補充への強い要求がなければそのままポストを廃止するべきだという。

 若手のミドル、あるいはその下のもっと若い人たちに達成感と満足感を与えるには、仕事を大きくし、挑戦的かつ厳しいものとし、裁量を持たせればよい。

 「ミドルの増加の多く、おそらくそのほとんどは、まったくの水ぶくれである」(『実践する経営者』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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