コミュニケーションが断絶され、社員がお互いに関わり合ったり協力し合うことができない「不機嫌な職場」が増えている今、そんな職場で“ミドルマネジャー”(中間管理職)という立場にある人たちも、厳しい立場に置かれています。
 
 「最近のミドルはだらしない。彼らがしっかりしていないから職場もおかしくなるんだ」

 「何故、ミドルが若手にもっと踏み込んで指導しないのか。腰が引けている」

 「ミドル自身に元気がない。彼らがイキイキしていないから、誰もミドルになりたがらないんだ」

 職場の活力が低下し、成果が上がらない状況を、まるで「マネジャー1人の責任」と言わんばかりに問い詰められる。さらに人材育成力が低下している責任も押し付けられ、挙句の果てに、「やる気や元気がない」とまで言われる――。

 「何かおかしい」と思いませんか? 実際にこうしたマネジャーが増えているにしても、それはマネジャー1人だけの問題なのでしょうか。そこに組織全体の問題はないのでしょうか。そして、マネジャーを「だらしないじゃないか」と問い詰めたところで、果たして状況はよくなるのでしょうか。

 私は、1990年前後の大量採用世代、いわゆる“バブル入社組”です。今、このバブル入社組の多くが、ミドルマネジャーの立場で仕事をしています。しかし、同年代の仲間を見ていると、本当に疲弊し、自信をなくし、追い込まれている人が数多くいるのが現状です。

 私は、そんな同世代の仲間に「ミドルマネジャーの仕事は大変だし、つらいけど、悪くない。結構楽しめる仕事だよ」と言いたいし、そう思える仲間を増やして行きたいと思っています。

 前回の連載「不機嫌な職場の治療法」に引き続き、この連載では、厳しい状況に置かれているミドルマネジャー世代に焦点を当て、彼らが「不機嫌な職場」に打ち勝ち、それを改革して行くための具体的な対策を、詳しくお伝えしようと思います。

 中間管理職の読者の皆さんに、職場を変え、自分を変えることの重要性を再認識していただき、「管理職はつらいけど悪くない。意外と楽しいんだ」と思っていただければ、幸いです。