社内や企業間における情報交換の手段として、電子メールはすっかり定着した感がある。最近では、電話をかけるよりも電子メールを利用する機会のほうが多くなったという人も少なくないだろう。

 いまやビジネス上の通信手段としてなくてはならない電子メールだが、その安全性について、きちんと理解した上で使用している人となると、残念ながらあまり多いとはいえない。

 なんの安全対策も施さないまま、電子メールで会社の機密情報のやり取りをしている人さえ、かなりいるようだ。どうやら、電子メールに書留郵便並みの安全性があると誤解しているらしい。

電子メールははがきと同じ

 電子メールを郵便物にたとえるなら、はがきである。はがきでは、住所氏名はもちろん、通信文の内容まで隠すことなく記述されるので、手に取れば誰でも読むことができる。

 つまり、配送中に不特定多数の人の目に触れる可能性があるということだ。さらに厄介なのは、誰かに読まれたとしても、封書のように封を切る必要がないので、そのことを本人たちは気づかない点だ。文面の一部を勝手に書き換える(例えば、数字にゼロを1つ加えてしまう)ことだってあり得る。

 まさか、はがきに会社の機密情報を書いて送る人はいないだろう。はがきを利用するのは、受取人以外の人に読まれても問題のない内容ということになる。