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伝え方が9割
【第27回】 2014年6月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
佐々木圭一 [コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師]

「この先生の話は面白く聞けるのに、どうしてあの先生の話は眠くなるのか」
【佐々木圭一×坪田信貴】(前編)

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58万部超えのベストセラーとなっている『伝え方が9割』の著者でコピーライターの佐々木圭一氏と、発売5ヵ月で35万部を突破した『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』の著者で青藍義塾・塾長の坪田信貴さんとの対談をお届けします。「伝え方」と「教え方」。双方には共通する、相手を想像するやさしさの必要性があるようです。
『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』
(構成・森 綾 撮影・小原孝博)

不完全を断定する、天才的なタイトル

佐々木 坪田さんの本の帯を初めて見た時、ものすごく共感しました。

坪田 『この奇跡はあなたにも起こる』ですね。ありがとうございます。

坪田信貴(つぼた・のぶたか)
株式会社青藍義塾(せいらん・ぎじゅく)代表取締役 塾長、学校法人大浦学園 理事長。自ら生徒を指導する教育者でありながら、同時に、IT企業など複数社を創業した起業家であり、それらの経営者でもある。その活動の場は日米にまたがり、ネイティブ並みの英会話力を誇る。TOEICは990点(満点)。これまでに1000人以上の子ども達を個別指導し、心理学を駆使した学習指導法により、生徒の偏差値を短期間で急激に上げることで定評がある。教え子には、「高3の夏まで文系クラスだったが、その後、理系に転向して国立大学医学部に合格した女の子」、「高3時に学年で100番以下だったが、東京大学に合格した男の子」など、異例のエピソードを持つ者多数。愛知県名古屋市在住。

佐々木 本に書かれている文章も胸に響きました。たとえば、「ダメな人間などいない、ダメな指導者がいるだけ」とか。なるほど、と思いました。

坪田 僕も佐々木さんの本を読ませていただいて、まずタイトルがほんとにすごいなと思いました。心理学的な観点からいっても、完璧だなと。

佐々木 心理学的な観点とは、どういうことですか?

坪田 『伝え方が9割なんです』とせず、『伝え方が9割』と体言止めにされているところ。断定です。しかし、『伝え方』といっても何の伝え方かは書かれてない。これは、いわゆるザイガルニック効果といわれるもので、人は完結した物よりも中断した物事や不完全なものが気になるのです。ですからこの場合も、不完全な状態で断定されているので、見る人に「何の伝え方なんだろう」と思わせるんですね。

佐々木 ザイガルニック効果ですか。

坪田 言われてみれば、確かに伝え方って9割くらい大事な気がしてくるし、断定されているから余計そう思います。しかも、ひと目でわかるタイトルだから、とりあえず手に取りますよね。

佐々木 不完全なんだけど、断定されている、から。

坪田 そうです。ミロのヴィーナスも、両腕がありませんが、もし腕があったら、あそこまでの価値は生まれなかったと言われています。両腕がないことによって、見る人の想像力をかき立てているんです。

佐々木 不完全な状態だったからこその傑作なんですね。

坪田 尾崎豊さんとか、ニルヴァーナのカート・コバーンさんとかも同じです。若くして亡くなった人たちは「もし彼が生涯をまっとうしていたら、その後どうなっていたんだろう」と思わせるので、伝説化しやすいんです。人間は不完全なものに惹かれるから。ドラマでも、主人公がキスする直前で「To be continued」。これも一緒です(笑)。

佐々木 いまBS朝日で『ポップメイカー』という生放送番組を毎週やっているんですが、あるところで、必ずイケメンが出てくるんです。ドラマでいう、キスする瞬間に終わるみたいな。あれは、ちゃんと意味があったんですね。

坪田 そうです。こうなると次の日、学校や職場で「あれ見た?」という会話になり、続きが気になるんです。

佐々木 「どういうことなんだ!」みたいなね。

坪田 で、まんまと次の週も見る。佐々木さんの本も『伝え方が9割』って言い切ることによって「何の伝え方なんだろう?」「残りの1割は何なんだろう?」となるわけです。これが、「10割」だったら、また意味が違ってきます。「9割」だからこそ、残りは何なのかを知りたい。もう天才的だなと思いました。

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佐々木圭一(ささき・けいいち) [コピーライター/作詞家/上智大学非常勤講師]

新入社員時代、もともと伝えることが得意でなかったにもかかわらず、コピーライターとして配属され苦しむ。連日、書いても書いてもすべてボツ。紙のムダということで当時つけられたあだ名は「もっともエコでないコピーライター」。ストレスにより1日3個プリンを食べ続ける日々を過ごし、激太りする。それでもプリンをやめられなかったのは、世の中で唯一、自分に甘かったのはプリンだったから。あるとき、伝え方には技術があることを発見。そこから伝え方だけでなく、人生ががらりと変わる。本書はその体験と、発見した技術を赤裸々に綴ったもの。 本業の広告制作では、カンヌ国際広告祭でゴールド賞を含む3年連続受賞、など国内外55のアワードに入選入賞。企業講演、学校のボランティア講演、あわせて年間70回以上。郷ひろみ、Chemistryなど作詞家として、アルバム・オリコン1位を2度獲得。『世界一受けたい授業』等テレビ出演多数。株式会社ウゴカス代表取締役。

佐々木圭一公式サイト: www.ugokasu.co.jp
Facebook:www.facebook.com/k1countryfree
twitter:@keiichisasaki


伝え方が9割

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