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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

経済は非経済的な目的のための手段にすぎない

上田惇生
【第143回】 2009年6月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
ドラッカー365の金言
ダイヤモンド社刊
2940円(税込)

 「経済は唯一の領域ではなく一つの側面にすぎない。経済は絶対的な決定要因ではなく、制約要因にすぎない。経済的な欲求や満足は、重要ではあっても絶対ではない」(『ドラッカー365の金言』)

 資本主義に対しては重大な疑念を抱いていると、ドラッカーは繰り返し言う。経済を最重視し、偶像化している。あまりに一元的であると指摘する。

 カネを絶対視しかねないことを危惧する。特に米国の経営者の貪欲ぶりを攻撃する。スキャンダルの原因は常にカネである。1930年代にも、あまりの不平等が絶望を招き、ファシズム全体主義に力を与えることを心配していた。残念なことに心配は当たった。

 ドラッカーは、人間として生きることの意味は資本主義の金銭的な計算では表せないと言う。金銭という近視眼的な考えが、生活と人生を支配することがあってはならない。

 確かに経済は重要である。ドラッカーは「胃袋があって道徳がある」とのブレヒトの言葉を引用する。経済とは胃袋をいっぱいにすることである。

 ドラッカー自身、政治や社会にかかわることについて、コストを考慮に入れるべきことを強く主張してきた。キッシンジャーに対し、外交において経済的要因を軽視することは誤りであると指摘したこともある。

 そのドラッカーが言う。

 「経済活動、経済機関、経済合理性は、それ自体が目的ではなく、非経済的な目的のための手段にすぎない」(『ドラッカー365の金言』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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