11日の前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
■株式見通し:2月安値を捉え、目先底を意識させる展開か
■外資系証券の注文動向:差し引き970万株の売り越し
■前場の注目材料:ファーストリテ<9983>、国内ユニクロ事業の採算悪化で今期業績
予想を下方修正
■2月安値を捉え、目先底を意識させる展開か
☆日経225想定レンジ:上限14200円-下限13900円
11日の東京市場は売り優勢の相場展開になりそうだ。10日のNY市場は、バイオやネッ
ト関連株、小型株を中心に幅広く売りが広がる展開となり、ダウ、ナスダックともに
大幅に下落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比260円安の14030円となり、日経平均
はこれにサヤ寄せする格好でのギャップ・ダウンからのスタートになろう。
また、ファーストリテ<9983>は14年8月期当期純利益見通しを下方修正し、ADR(米国
預託証券)で4%超の下落となっている。この影響も加わるなか、日経平均は2月5日
安値(13995.86円)を窺う展開になりそうである。
ただし、節目の14000円を割り込むことで、目先底が意識されてくる可能性はある。
オプションSQとなるが、ファーストリテ<9983>が売り気配でのスタートとなる可能性
があるなか、SQ値が下で決まることも考えられる。これが心理的な支持線として意識
されてくることも考えられ、売り一巡後は底堅い相場展開が期待されよう。
とはいえ、週末要因のほか、11日の米国ではJPモルガン・チェース、ウェルズ・ファ
ーゴなど金融の決算が予定されており、結果を見極めたいとして上値追いの売買は限
られよう。また、米国のバイオやネット関連の下落影響から新興市場の中小型株など
も手掛けづらく、物色としては低位の材料系銘柄での短期的な値幅取り狙いの売買が
中心になりそうである。
■外資系証券の注文動向:差し引き970万株の売り越し
朝の外資系証券6社経由の注文状況は、売り2570万株、買い1600万株、差し引き970万
株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。
4月4日(金):500万株の買い越し
4月7日(月):180万株の売り越し
4月8日(火):120万株の売り越し
4月9日(水):30万株の売り越し
4月10日(木):120万株の売り越し
■前場の注目材料
・バイオやネット株主導で米国株式市場は大幅下落、為替相場も円高に振れる
・ファーストリテ<9983>、国内ユニクロ事業の採算悪化で今期業績予想を下方修正
・主要小売業、今期は増税の影響も7割が増収増益見通し
☆前場のイベントスケジュール
<国内>
08:30 閣議後、閣僚会見予定
08:50 3月国内企業物価指数(前年比予想:+1.8%、2月:+1.8%)
08:50 日銀金融政策決定会合の議事要旨公表(3月10、11日開催分)
<海外>
10:30 中国・3月生産者物価指数(前年比予想:-2.2%、2月:-2.0%)
10:30 中国・3月消費者物価指数(前年比予想:+2.4%、2月:+2.0%)