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日本総研 次世代の国づくり「インパクト・インベストメント」

BOPベンチャーが物申す!!
ほしい投資、いらない投資

――日本総研マネージャー渡辺珠子、同コンサルタント菅野文美

渡辺珠子 [日本総合研究所創発戦略センター マネジャー],菅野文美 [日本総合研究所創発戦略センター コンサルタント]
【第3回】 2014年4月16日
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前回まではインパクト・インベストメントを実践する大企業に焦点を当て、その目的や投資に当たっての苦労などを論じた。では、投資を受けている企業は、何を求め、どう評価しているのだろうか。今回は投資を受けている企業の担当者にインタビューを行い、インパクト・インベストメントのメリットや「こんな投資ならいらない」という本音を語ってもらった。

タンザニアのBOPベンチャーに
出資したGDFスエズ社

 アフリカ最高峰のキリマンジャロを有する国、タンザニア。このタンザニアの農村に電力販売ビジネスを展開しているのが、ベンチャー企業であるEGGエネルギー社だ。EGGエネルギー社は、米国マサチューセッツ工科大学で博士号を取得したジェレミー・ヤン氏が2009年6月に立ち上げたBOP(Base of the Pyramid)ビジネスベンチャーで、電気の通じていない農村地域に太陽光発電を利用した充電スタンドを立ち上げ、そこで充電した小型蓄電池を各家庭に届け、使い終わった蓄電池を充電スタンドに持ち帰る「スワップ方式」で電力を販売している。

 このBOPベンチャーに、インパクト・インベストメントの手法を通じて出資しているのが、フランスに基盤を持つ世界第2位の電気事業者・ガス事業者の大手、GDFスエズ社だ。GDFスエズ社は2011年6月に、エネルギー利用機会の拡大に特化したファンドであるSAS GDF Suez Rassembleurs d Energies(筆者訳「GDFスエズ エネルギーのための結束投資」、以下SGSRE) を立ち上げた。

 今回は、EGGエナジー社CEOのジェレミー・ヤン氏と、GDFスエズ社のラウル・ヴィンコッテ氏、つまり投資する側とされる側の双方に話を聞いた。

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渡辺珠子 [日本総合研究所創発戦略センター マネジャー]

わたなべ たまこ/名古屋大学大学院 国際開発研究科(国際開発専攻)修了後、メーカー系シンクタンクにて中国を中心としたアジア諸国のマクロ経済動向調査、ODA関連調査等に携わる。2008年に日本総合研究所入社。09年度に国際協力機構のBOPビジネス促進制度に関する制度設計に従事。現在、主に日本企業の新興国におけるソーシャル・ビジネス立上げを支援している。

菅野文美 [日本総合研究所創発戦略センター コンサルタント]

すげのふみ/東京大学文学部社会学科卒業、コロンビア大学国際・公共政策大学院卒業。国際NGO中国事務所にて中国農村部の教育事業・地域開発に携わる。デクシアクレディローカル銀行東京支店審査部を経て、2011年に日本総合研究所入社。主に、新興国におけるソーシャルビジネスやインパクトインベストメント立上げを支援している。


日本総研 次世代の国づくり「インパクト・インベストメント」

「インパクト・インベストメント」。まだ日本では聞きなれない新しいコンセプトの投資スタイルだ。だが、すでに欧米ではこれを活用して新興国・途上国市場に入り込み、イノベーションの種を発掘し、自社の次なる成長の原動力に育てつつある企業が存存在する。本連載では日本総研で新興国市場開拓を専門とする研究員が、インパクト・インベストメントに第一線で取り組むグローバル企業のキーパーソンにインタビューし、その真髄に迫る。

「日本総研 次世代の国づくり「インパクト・インベストメント」」

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