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財部誠一の現代日本私観

米牛肉関税引き下げは本当に危機か
関税率だけではないTPP交渉の落としどころ

財部誠一 [経済ジャーナリスト]
【第24回】 2014年4月16日
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 4月4日からBS11の対談番組『財部誠一の経済深々(しんしん)』(金曜夜9時)が始まった。私とゲストだけの30分の真剣勝負である。まるまる30分間、キーパーソンの話をテレビで聞くという機会は、じつのところ、ありそうでない。良質なドキュンタリーでも取材した相手の話は、主張の核心を凝縮したコメントを数十秒単位で引用するのが一般的である。有名タレントをゲストに招く“対談番組”も随分と増えたが、私が知る限り、事前収録後に、面白いコメントに絞り込んだり、差し障りのあるコメントを削除したり、重大なメッセージであることに気づかずスルーしてしまったりといったことが起きてしまう。

 だが『経済深々』は番組自体が生放送であるため、編集はできない。稀に日程調整ができない場合は、事前収録もあり得るが対談は30分撮りきりで、編集はしない。

 4月11日のゲストは菅義偉官房長官だった。TPPをめぐる菅義偉官房長官の発言は圧巻だった。

米国との激しい攻防のさなか、
菅官房長官が窺わせた“交渉の最終局面”

 日米がTPP交渉で激突するさなかである。4月下旬、米オバマ大統領の来日までの合意は絶望的だと報じられてきた。甘利TPP担当相は9日に来日した米国通商代表部のフロマン代表と2日間、十数時間に及ぶ異例の長時間交渉を続行したが、さしたる進展はなく、「大きな距離感がある」と疲れ切った表情をテレビカメラの前にさらした。

 暗礁に乗り上げている理由は米国の強硬姿勢だ。米国は関税ゼロの原則論に執着する。一方日本は関税撤廃の対象外としてきたコメ、麦、砂糖、牛・豚肉、乳製品の重要5項目については「10年以上の年限をかけての関税撤廃も認めない」との国会決議もあり、窮屈きわまりない。

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財部誠一 [経済ジャーナリスト]

1956年生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券に入社。同社退社後、3年間の出版社勤務を経てフリーランスジャーナリストに。金融、経済誌に多く寄稿し、気鋭のジャーナリストとして期待される。BS日テレ『財部ビジネス研究所』、テレビ朝日『報道ステーション』等、TVやラジオでも活躍中。また、経済政策シンクタンク「ハーベイロード・ジャパン」を主宰し、「財政均衡法」など各種の政策提言を行っている。


財部誠一の現代日本私観

経済ジャーナリスト・財部誠一が混迷を極める日本経済の現状を鋭く斬るコラム。数々の取材から見えた世界情勢を鋭く分析するとともに、現代日本にふさわしい企業、そして国のあり方を提言していく。

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