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週刊ダイヤモンド 企業特集

キヤノン(上)
高収益モデル崩壊を止められるか
御手洗経営の「凄み」と「死角」

2009年7月21日
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2008年12月期に、9期ぶりの減収減益に転落した。急成長していたときには見えなかった弱点──多角化の遅れ、人材不足が、今あらわになる。来年5月、御手洗冨士夫会長は日本経済団体連合会会長の任期を終え、社業に完全復帰する。いかにして、再び成長軌道へ導くのか。そして、後継にバトンを渡すのはいつか。(取材・文/『週刊ダイヤモンド』編集部 浅島亮子)

 時計の針を巻き戻すこと2年半前の2007年1月、橋本幸明・キヤノン米国法人副社長(当時。カメラなどコンシューマイメージング担当)は突然、日本へ呼び戻された。内田恒二社長による特命人事である。

 命じられたポストは、「医療機器事業部長」──。医療など、まるで門外漢だった。それでも白羽の矢が立ったのは、足達洋六専務(米国法人社長)や番場僚一常務(欧州法人社長。前職は米国法人副社長)とグローバルな販売戦略を組み立て、推進させるためだった。3人は米国駐在時の仲間で、気心が知れていた。

 

 キヤノンが国産初のX線撮影カメラを発売し、医療機器に参入したのは1940年にさかのぼる。だが、約70年を経過していまだ、デジタルラジオグラフィー(X線撮影装置)と眼底カメラの2製品しかない。

 売上高は、数百億円にすぎない。オリンパス、富士フイルムホールディングスの医療事業の売上高は、それぞれ3838億円、2698億円であり、比較にもならない。

 長期低迷する事業部には、「主体性もなければ、成長シナリオもなかった」(橋本事業部長)。まず、カメラ部隊から優秀な開発者を5~6人引き抜くところから立て直しを始めた。

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