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「婚迷時代」の男たち

残業規制で専業主婦が激減!?若い男女に増える「養われたい願望」の矛盾

西川敦子 [フリーライター]
【第22回】 2009年8月28日
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 山下裕明さん(仮名・46歳)は、妻に不倫の疑いをかけられていたことがある。当時は、毎日のように深夜残業で帰宅が遅かったのだ。

 「だから、残業なんだってば」
 「絶対、嘘!」

 まだ携帯電話が出回っていない頃だったので、自宅の電話機をナンバーディスプレイのある機種に買い替えた。仕事が終わると、会社から「帰るコール」をかける。会社の電話番号が表示されると妻は納得し、機嫌よく出迎えてくれた。

 ところが、「ノー残業」のお達しが出てからは毎夜、早々と帰宅するようになった。毎月の残業時間数は評価に反映されるため、どんなに忙しい時期もそうそう居残れない。

 まあいいか。その分、家族団らんができるし――と思ったが甘かった。

 「えっ、もう帰ってきちゃったの?! 残業代が出ないと困るんだけど」

残業代がカットされ、働きに出る専業主婦が増えている

 このままでは教育費が払えない、と肩を落とす妻。結局、彼女が働きに出ることになった。毎日夕方、子どもを塾に送り届けたあと、近所のスポーツクラブへ出勤する。受付事務のバイトだが、収入は週4日で月8万円ほど。失った残業代6万円を上回る額である。

 とはいえ、食事のしたくや後片付け、塾のお迎えなど、山下さんの家事の分担は軽くない。それに、少しでも妻の帰りが遅くなると、「イケメンのトレーナーと浮気でもしているんじゃ……?」と気が気ではなくなる。

 残業代がなくなったせいで、夫婦関係が微妙に逆転してしまった山下家だった――

「景気回復後も残業代ナシ?!」
働き始めた専業主婦たち

 8月17日に発表された「毎月勤労統計調査 6月分」によると所定外給与は1万5757円。前年比17.5%減だ。2割近くにおよぶ残業代のカットは、多くの家庭の家計を直撃していることだろう。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


「婚迷時代」の男たち

仁義なき最新の婚活事情から、結婚をビジネスにする企業、結婚生活や離婚の実態までを徹底取材。「結婚」という2文字に翻弄される男たちの姿を追う。はたして「結婚」は男を幸せにするのか――。

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