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警察官は婚約者の同僚警察官を殺害して自殺
教諭は我が子の入学式に行き、勤務先の入学式を欠席

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第69回】 2014年4月19日
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 警視庁蔵前署勤務の関口卓弥巡査が、婚約者の間宮陽子さんを殺害し、自身も狭山市のマンション三階から飛び降り死亡したのは四月一二日のことだった。被害者の婚約者は刃物で腹部を複数刺され、出血多量で死亡した。

 俗っぽく言えば、よくある痴情のもつれとおぼしき事件が特異だったのは、殺害された婚約者の間宮さんも、警視庁田無署の巡査だったことだ。市民の安全を守るはずのお巡りさんが、こともあろうに婦人警官を殺して自殺したのである。

 サツカン……、もとい、警察官ってのは、セクハラをしたり盗撮をしたり痴漢やわいせつ行為に及んだり同僚に銃口を向けるような人たちかと思っていたら、今度は殺人である。同僚を殺して自殺するなんて事件は、過去にあっただろうか。

 事件を起こした関口巡査は入庁二年目の二四歳。

 被害に遭った間宮巡査も同い年で、二人は幼稚園から小中高までずっと同じ学舎に通った同級生でもあった。それぞれが違う大学を経て警察官になったのだが、再会後に交際が始まり、今年二月には事件のあったマンションで同居を開始。三月末には入籍の予定もしていた。

 が、その結婚は延期になったのである。

 理由はと言うと、関口巡査が蔵前署の“リクルーター”に任じられたことが発端だった。リクルーターというのは、警察官志望者を勧誘する役割だ。早い話が、きみ、警察官にならないか……、と大学の後輩らを口説くお仕事である。

 むか~し、原宿あたりを歩いているといきなり肩を叩かれ、きみ、いい身体してるな、何かスポーツやってたの? 自衛隊に興味ある? と勧誘されたのと同じなのだろう。私はよく声をかけられたけど、最近はそういうの、やってるのかしら。

 関口巡査の勧誘が功を奏したのか、昨年は八人の採用試験の申し込みがあった。

 いずれも大学や剣道の道場での後輩たちだったが、そのうちの二人ぶんが本人の許可なく届け出されていたことが発覚した。おそらくは、成績を上げようとして、いかにも自分が勧誘に成功したかのように見せかけ、勝手に申込書を偽造したのだろう。

 これは、文句なしに有印私文書偽造の罪になる。えぇ~、友だちが勝手に応募しちゃったんですぅ、というような嘘っぽいアイドルオーディションとはワケが違う。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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