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金融市場異論百出

インフレ率アップの甘い誘惑
くすぶる米国債への将来不安

2009年6月5日
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 「米国政府高官は、民間のシステミックリスクを制御する強力な規制当局の創設を求めている。しかし、(財政赤字を膨張させている)政府自身が、いまや、最も深刻なシステミックリスクの源となっている」。

 J・テイラー・スタンフォード大学教授は、5月27日付の「フィナンシャル・タイムズ」紙で、政府債務の急拡大に強い懸念を表していた。

 米議会予算局の推計では、政府債務は10年以内にGDPの82%に達する。政策に変更がなければ次の5年で100%に達する(日本に比べればましだが)。2019年度の財政赤字は1・2兆ドル、税収は2兆ドルと予算局は予想する。

 「財政を均衡させるには、税収が恒常的に60%増えなければならない。明らかにそうなることはない」「なぜ、ワシントンは“目覚ましコール”が鳴っているのに眠っていられるのか?」とテイラー教授は指摘している。

 インフレ率をいずれ高めたくなる誘惑に米政府が駆られても不思議はない。貯蓄よりも借金が多い有権者は日本よりも遥かに多いため、「インフレはこの局面では悪くない」と議員たちも内々に思うようになるかもしれない。

 英国債の格付けをスタンダード&プアーズがネガティブ・アウトルックとしたことで、米国債の先行きを心配する声が増加している。市場性米国債の半数以上は海外投資家によって保有されているため、彼らの動向が気になる局面だ。

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