第6回に登場いただくのは、第5回のモフィリアのビジネスと同様に、ソニーが不得意な分野である社会インフラの世界で起業した、インフォメティス社長の只野太郎氏。人工知能をエネルギーの分野で活用し、スマートグリッドを本当の意味で“スマート化”させるために事業に取り組む。成功すれば、日本のみならず世界のエネルギー界に大きなインパクトを残しそうだ。(聞き手/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

エネルギーとIT、人工知能で
電力市場に新たな価値をつくる

【“ヤメソニー”インタビュー第6回】<br />電力市場に本物の“スマート化”をもたらす<br />——只野太郎・インフォメティス社長ただの・たろう
1991年東京都立大学(現・首都大学東京)電気工学科卒業。同年ソニー入社。高精細ディスプレイの回路システム設計、フラットパネル商品・デジタルサイネージなどシステム商品の事業企画、海外マーケティングなどを経て、2010年より同社R&D部門ホームエネルギーネットワーク事業開発部の事業企画に従事。11年から事業開発責任者として同事業化を牽引し、13年4月にインフォメティスを設立。
Photo:DOL

——インフォメティスのビジネスを教えてください。

 一言で言うと、エネルギーとITと人工知能の領域でビジネスをしています。スマートグリッドのなかで、実はITが真の意味で普及していないという現状があります。電気を実際に使っている消費者のレベルまで行き渡っていないのです。

 各家庭に取り付けられるスマートメーターが、電力情報を吸い上げるだけで、消費者のメリットになるようなことはまったくないんです。日本でもそうですし、世界でもそうです。

 そこで、私たちは3つの技術を使って、本当に消費者に役に立つ、エネルギーの節約だけではない新たな価値を創造しようとしています。目指すのは、スマートグリッドの、本当の“スマート化”といったところです。