読者の皆様、明けましておめでとうございます。

 2008年は、世界がこれまで経験したことのない激烈な一年でした。「100年に一度」の大激震に、我々は悲鳴を上げ、翻弄され続けました。

 ダイヤモンド・オンラインの昨年1年の人気記事アクセスランキングを通して見ると、そんな世の中の混乱と激変が垣間見えてきます。今、新たな1年がスタートするにあたり、昨年の記事ランキングを4期に分けて、振り返ってみたいと思います。

2008年1~3月
「日本は大丈夫」という楽観

1位 毒入り餃子事件を中国人は本当はどう見ているか?|ビジネスマンのための中国経済事情の読み方
2位 悪名高い中国食品事情が改善されない理由|柏木理佳 とてつもない中国
3位 タタの27万円カーだけでない、インドの日本車追撃網|Close Up
4位 こんな会社が危ない!うつ休業者続出企業はここでわかる|『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー
5位 プラズマから液晶へ!松下電器が「液晶」傾斜へと戦略転換|Close Up
6位 北京五輪ボイコットが叫ばれる背景とは|柏木理佳 とてつもない中国
7位 再度問う。正社員のクビを切れる改革は本当にタブーなのか?|辻広雅文 プリズム+one
8位 マクドナルド訴訟だけじゃない。「名ばかり管理職」蔓延の実体|弁護士・永沢徹 M&A時代の読解力
9位 「野党ボケ」した民主党の問題は小沢氏の資質にある|山崎元のマルチスコープ
10位 他人事で無責任な福田首相が“日本売り”を加速させる|週刊・上杉隆

 2007年夏のサブプライム問題に端を発した経済危機は、この時点ではまだ深刻にはとらえられてはいませんでした。ベアー・スターンズの救済合併や、米欧金融機関の(この時点での)巨額損失が明らかになるなどマーケットの混乱は続きますが、それはあくまで米欧金融市場の危機であり、日本にとっては対岸の火事に過ぎないという認識もありました。「デカップリング」という楽観論が一部で信憑性をもって受け入れられていた時期でもあります。

 ランキングを見ると、毒入り餃子事件などで食品問題が取りざたされた時期でもあり、北京五輪を半年後に控えた中国への不信と脅威が、世論の関心を占めていたことが思い出されます。