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日本でも応援が過激化。
プロスポーツ「熱狂的ファン」の実態

――「ファンの期待を裏切れない」プロスポーツの宿命

相沢光一 [スポーツライター]
【第19回】 2008年6月24日
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 セ・パ交流戦は福岡ソフトバンクホークスが優勝したが、その一方で暗く沈んでいるチームがある。セ・リーグのペナントレースでも交流戦でもダントツの最下位・横浜ベイスターズだ。21日の西武戦は主砲村田が2つのホームランを打つ活躍で逆転勝ちしたが、こんなシーンはめったに見られない。

 横浜ベイスターズの成績は、22日現在で18勝45敗1分の借金27。まさに、負けるのが当たり前のような状態。試合後は、応援団から『それでもプロか!?』『大矢辞めろ!』といった罵声まで飛び交うありさま。そこで球団側は、この逆風から大矢監督を守るため、『現体制でシーズン終了まで戦う』と発表した。しかし、このまま戦いぶりに変化が見られなければ、ファンの反発はさらに大きくなるだろう。

 Jリーグでも、このようなトラブルはしばしば起きる。連敗が続くとサポーターは選手にブーイングを浴びせるようになり、それがエスカレートすると、選手が乗ったバスを取り囲むこともある。

 ただし現場でよく観察してみると、同じ負け試合でもサポーターが「怒るケース」と「怒らないケース」があることが分かる。

「覇気のない試合」をした時
ファンの不満は爆発?

 怒るのは凡ミスから失点し、ほとんど反撃することもなく負けた時だ。選手たちが相手より劣っていることを受け入れ、それに甘んじているような状態である。しかし、失点しても選手全員がその失点を取り返そうと知恵を絞り、その意図を感じる動きやプレーを見せ、最後までファイトし続ければ、たとえ反撃が実らなくてもサポーターが怒ることはまずないのである。

 横浜ベイスターズのファンの怒りも、この構図に当てはまるだろう。投手力に問題があるため相手に先制されることが多い。それでも反撃する姿勢が見られればいいのだが、打線はつながらず、追いつくための工夫も見られないまま凡退を繰り返すのが大方のパターン。試合ぶりが淡白なのだ。

 もちろん選手は一投一打に生活がかかっているわけで、精一杯のプレーをしているのかもしれない。しかし、見る者にはそれが伝わってこない。ペナントレースはまだ前半だというのに、選手にはあきらめムードさえ感じられる。スタジアムまで足を運び、金を払って入場して応援しているというのに、こんな姿を見せられたら、誰だって腹が立つ。このようなチーム状態にしてしまった大矢監督に『辞めろ!』コールが起こるのも無理はない。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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