旧態型のシティホテル
にも注目

 このように、宿泊特化型・主体型ホテルが進化を続ける中、瀧澤氏があえて注目するのは、「ラグジュアリーホテルに上位客を奪われ、ビジネスユース客は宿泊特化型・主体型ホテルに奪われた、“旧態型のシティホテル”の巻き返し」だという。

 客室リニューアルや宿泊料金の努力で、特に地方都市では、宿泊特化型・主体型ホテルよりも部屋が広くコストパフォーマンスの良いシティホテルが、意外と多く出現しているという。また地方都市では、チェーン展開するホテルに負けないよう、設備のサービスやヒューマンタッチの「おもてなしの心」を充実させた“独立系ビジネスホテル”の躍進も目立つという。

「ビジネスパーソンは、ポイントカードのために同じチェーンホテルを利用する人が割と多いのですが、ビジネスホテルは、カテゴリーを限定せずに探せば、コストパフォーマンスに優れた多様なホテルが見つかります。まずはさまざまなホテルを利用して、自分に合ったホテルを見つけてから、リピーターになるのが理想だと思います」

 百花繚乱的なビジネスホテル業界だからこそ、選ぶ楽しみもある。自らの“悦楽”のよりどころを明確にして、ビジネスユースのホテル選びに挑戦してみてはどうだろう。

地方独立系ビジネスホテルや
カプセルホテルの充実ぶり

 瀧澤氏は2014年、1年365日すべて異なる全国のホテルに“自腹で”宿泊するというプロジェクトを敢行中。その前人未到のホテル旅の中で実感しているのは、地方の独立系ビジネスホテルの充実ぶりと、カプセルホテルの意外な進化だという。
「独立系ビジネスホテルの中には、全室にマッサージチェアを標準装備したり、夕食の無料サービスの実施、また全室の浴室に窓が付いているといった設備を整えているなど、非常にコストパフォーマンスに優れたホテルがあります。またそうしたホテルは、あえてホテル勤務の経験がない地元の従業員を積極的に雇用していて、サービスがマニュアル的でなく、心のこもった“おもてなし”になっている。最近では、都内のカプセルホテルも機能的かつ清潔な、4平方メートルほどの空間を備えた『キャビンタイプ』になっている所が多く、女性客も安心して泊まれる場所になっています」