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メリルリンチ日本証券「産業の明日」を読む

【小売り】
消費増税で消費者のバリュー志向が上昇
オムニチャネル戦略をいかに活かせるかがカギ
――メリルリンチ日本証券リサーチアナリスト・青木英彦

青木英彦 [メリルリンチ日本証券リサーチアナリスト]
【第12回】 2014年4月28日
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4月1日より消費税が5%から8%へ上昇した。すでに4月は、3月の駆け込み需要の反動で前年を落ち込む小売業が続出しているが、これはすでに想定済。問題はその後、いかに売上高を回復できるかだ。そのためのポイントとなるのはオムニチャネル戦略に代表されるように、いかに消費者のEコマース需要を取り込めるか、また海外の成長市場の需要を取り込めるかにかかっている。その点を鑑みると、セブン&アイホールディングスとファーストリテイリングが注目企業として挙げられる。

循環的視点から構造的視点へ
増税後に注目の3つのテーマ

あおき・ひでひこ
小売、食品、トイレタリー、医薬品チームヘッド。1989 年から20 年間余にわたり小売セクターの調査を続けている。1989 年神戸大学経営学部卒。1994 年米デューク大学経営大学院にてMBA(Health Care Management)取得。日本証券アナリスト協会検定会員。CFA 協会認定証券アナリスト。経済産業省産業構造審議会 流通部会委員。

 4月1日の消費増税と前後して、3月の駆け込みと4月の反動に多くの注目が集まっているが、この山と谷が生じることは、すでに株式市場では想定済みの事実であり、この山と谷が落ち着いた後の消費環境と小売業者の持続的な成長力が今後のポイントであろう。

 消費増税は、消費者のコスト負担を増やすので、当然、バリューへの意識が高まってこよう。商品の価格が、その品質と販売店舗におけるサービス、そして利便性に見合ったものであるかどうかの、厳しい選択眼にさらされるのである。

 弊社では、以下の三つのテーマに注目している。すなわち、

① アマゾンとの競合激化
② 対抗策としてのオムニチャネル戦略の成否
③ 海外展開

 である。この観点から、セブン&アイホールディングスとファーストリテイリングに注目しておきたい。

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あおき・ひでひこ/小売、食品、トイレタリー、医薬品チームヘッド。1989 年から20 年間余にわたり小売セクターの調査を続けている。1989 年神戸大学経営学部卒。1994 年米デューク大学経営大学院にてMBA(Health Care Management)取得。日本証券アナリスト協会検定会員。CFA 協会認定証券アナリスト。経済産業省産業構造審議会 流通部会委員。


メリルリンチ日本証券「産業の明日」を読む

アベノミクスによって円高修正が進んだものの、さらに円安が進む可能性は小さい。加えて、韓国、中国の企業も、日本の産業・企業のライバルとしてますます力をつけている。一方、国内市場は人口減少で、大きな成長は望めない。そうした環境変化の中で、日本の産業の将来はどうなるか。メリルリンチ日本証券の精鋭アナリストたちが、経営環境の変化、短期の業績、中長期の課題に焦点を当て、日本の主要産業の明日を読み解きます。

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