躍進ぶりが目覚ましい
東大生の就職「新御三家」

 こんにちは鈴木寛です。

 ゴールデンウィークも終わり、これから正念場という就職活動中の学生もたくさんいることと思います。

 先日、今年の朝日新聞の内定者に、東大卒が初めてゼロだったことがネット上で話題になっていました。いま私は東大大学院と慶応SFCで教えているわけですが、両校の学生たちの就活動向が「時代」を反映しているものとして、世間では常々取り沙汰されます。

 以前、東大生が、かつては本流であったはずの国家公務員キャリアを敬遠し、優秀な人材が外資系に流れ始めたことが、グローバル化の象徴的な事例とされたこともありました。さらに最近では、それも「過去」のこととする報道もあります。

 『週刊東洋経済』(4月5日号)は「激減!! 東大生の就活」という特集で、東大生の就職御三家が、外資金融や総合商社などから一変。DeNA、グリー、サイバーエージェントが「新御三家」になっていると報じて、話題になっていました。

「新御三家」の躍進ぶりは目覚ましいものがあります。

 サイバーエージェントは、ブログサービスからベンチャーキャピタル、ソーシャルゲームなど多角展開。優秀な人は20代でも子会社の社長に抜擢します。

 グリーには、私の教え子たちが中枢に何人もおり、田中良和社長を支えてきました。私が、文部科学副大臣の際には、ネット熟議の導入にあたり、田中社長には、文部科学省の委員もお願いしました。ソーシャルゲームのブームが一段落した近年こそ売上高、利益ともに落ち込み、人員削減を断行したものの、5年で5倍超の成長を遂げたことは特筆に値します。

 一方、ライバルのDeNAも創業から10年余りでプロ野球に参入。記事によると、今年の新卒入社98人のうち、東大は最多の28人といいますから、名実ともに「一流企業」に肩を並べた格好です。