健康志向を受け、この夏「ゼロカロリー飲料戦争」が熱を帯びている。なかでも競合他社が羨むほど売れているのが、花王の新商品「ヘルシアスパークリング」だ。実は、「かつてない上得意客」がブームを牽引している。大ヒット商品「ヘルシア緑茶」から始まったヘルシアシリーズで、またもや独走する花王の戦略を探った。(プレスラボ 小川たまか)

 関東甲信地方で梅雨明けとなり、本格的な夏の到来を迎えた今日この頃。ドリンク売り場で今夏特に目立つのは、何と言っても“ゼロカロリー”と銘打った炭酸飲料の数々だろう。

 「カナダドライ ジンジャエールゼロ」(コカ・コーラ)など、昨年から続くゼロカロリーブームの波に乗り、今年に入ってゼロカロリー飲料が続々と登場している。その背景にあるのは、消費者の健康志向だ。

 追い風に乗り、今年1月、カルピスは「カルピスゼロカロリー商品」の第2弾として「『カルピスソーダ』ジンジャーゼロカロリー」を発売。コカ・コーラは2月に「コカ・コーラ ゼロ」をリニューアル発売した。

 夏場に入ると、その勢いはいよいよ加速する。5月に発売された「三ツ矢サイダー オールゼロ」(アサヒ飲料)、「ファンタ ゼロ サイダー」(コカ・コーラ)に続き、サントリーも「C.C.レモンゼロ」を8月4日に発売する予定だ。

 飲料各社は、今まさに「ゼロカロリー戦争」の渦中にいる。

 そんななか、炭酸系新商品として特に異彩を放っているのが、5月に発売された花王の「ヘルシア スパークリング」である。

 その勢いはすさまじく、発売2週目の売り上げが炭酸飲料カテゴリで1位となり、見込みの1.7倍もの売れ行きだという。

 同業他社も羨むこの快進撃の理由は、いったい何か? それは、これまで炭酸飲料のメインターゲットでなかった層に受け入れられていることに他ならない。

ブランドイメージを高め
炭酸市場に乗り込んで大成功

 2003年に特定保健用食品(以下、トクホ)として発売した「ヘルシア緑茶」は、特に30代以上の「メタボ世代」の関心を捉え、大ヒット商品となった。06年には同じくトクホの「ヘルシアウォーター」を発売。同社ビバレッジグループの川北昭人・ブランドマネジャーは、「(緑茶とは)違うカテゴリでの可能性をずっと探っていた」と明かす。

 折しも、05年以降に一度落ち込んだ炭酸市場が07年から回復を始めた。カテゴリーを増やし飲用機会を拡げることを目指し、同社ではまず、「ヘルシア」のブランドイメージをさらに高めることに注力したのだ。