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企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負
【第7回】 2014年5月15日
著者・コラム紹介バックナンバー
猿谷雅治

【プロローグから第1章までを公開!(7)】
なぜ当社は赤字なのか?
――仕上課長の考え

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万年赤字会社はなぜ10ヵ月で生まれ変わったのか? 実話をもとにした迫真のストーリー 『黒字化せよ! 出向社長最後の勝負』の出版を記念して、プロローグと第1章を順次公開。沢井は管理職面談で、「なぜ当社は赤字なのか?」とズバリ聞いてみることにした。返ってきた答えは…。(連載第1回目、第2回目、第3回目、第4回目、第5回目、第6回目はこちら

仕上課長の考える
当社が赤字の理由

 7月中旬まで、ユーザー、銀行、官公庁、同業者など関係先への挨拶まわりと送別会、歓迎会などが錯綜して、沢井は昼夜ともに多忙な日を送った。
 が、その忙しいなかから時間を作って、管理職の個人面談と現場巡回を始めていた。

 個人面談に呼ばれて社長室に入ってくる管理者たちの緊張を少しでも柔らげようと、沢井は自宅からポットとコーヒーや紅茶のセットを持ち込んだ。
 相手の好みによってコーヒーか紅茶を入れて出す。
 お茶を飲みながらの雑談で気分を柔らかくしてから、「当社はなぜ赤字なのか。その原因はどこにあると思うか」というテーマをぶつけて、彼らの話を聞く。

 初めの三人までは、沢井のほうにも固さがあったためか、あるいはたまたま事務と技術のスタッフの課長たちであったせいか、つかみどころのない話し合いで終わった。
 こんなことでいいのか、と沢井の心に焦りが出始めたころのことである。

 沢井は四人目の面談者である仕上課長の森山順市と話し合いを始めていた。

 梅雨がようやく上がって、外は真夏の陽光が輝いている。クーラーのない事務所では、窓をいっぱいに開け、扇風機をフルに回転させても、汗が止まらない。
 森山は汚れた作業服のベルトにはさんだタオルを抜きとって、顔や首筋を拭きながら話した。家族のこと、過去の経歴など雑談めいた話のあとで、沢井はいつもと同じ質問をした。

 「ところで、ズバリ聞くけど、この会社はなぜ赤字なんだろう。当社が赤字から脱却できない原因は何だと思うね」

次のページ>> ホンネの答え
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猿谷雅治 

 

さるや・まさはる。1952年東京大学経済学部卒業。住友金属鉱山(株)入社。経理、人事、組織、社長室のほか、事業部総務部長、関係会社出向などを経て1981年取締役就任。1984年常務取締役企画管理本部長。1993年富士短期大学教授。1996年富士短期大学副学長を経て富士短期大学経営研究所教授。1998年没。1964年、「目標による管理」を導入、実施して会社の業績向上に大いに寄与。人間を尊重する目標による管理の思想を中軸として、新しい経営管理論、組織論、リーダーシップ論などの実務への展開に力を注ぐ。主要著書に『目標設定による管理体制』『目標管理の要点』『目標管理の考え方』『創造的リーダーシップ』『仕事と目標と生きがい』などがある。

 


企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負

実話をもとにした迫真の企業再生ストーリー。大会社で役員目前だった沢井は、ある日突然、万年赤字子会社への出向を命じられる。辞令にショックを受けつつも、沢井は1年以内に黒字化することを決意。しかし、新しく人を雇ったり機械や設備を導入する予算はない。今ある人材、設備で黒字化するには社員の意識を変えるよりほかにない。そこで沢井が講じた施策とは…?プロローグと第1章を公開。

「企業小説 黒字化せよ! 出向社長最後の勝負」

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