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10代にリベンジポルノの被害者が急増
「おっぱいの写真送って」を断れず言いなりに

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第72回】 2014年5月9日
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 武井咲ちゃんがCMで、JTBで行くとユニバーサルスタジオジャパンには開場より十五分も早く入れますよ、と言って微笑んでいたが、JTBはバスの手配をしてくれないから目的地に行けないんじゃないか、とか、フジテレビで放映中の『ブラック・プレジデント』ってのはアメリカで放映されたらホワイトハウスから大変なクレームがつくんじゃないか。だって直訳するとさ……、なんてことを黄金週間のあいだ悪友たちと駄弁っていた。

 件のJTBの社員(JTB中部)は、高校の遠足前日になって、バス一一台の手配を忘れていたことに気づいた。手続きミスで一台や二台の間違いなら、生徒を分乗させるなりして乗り越えられただろうが、彼は、全一一台を用意していなかった。

 うっかりだったのかどうかは定かではないが、失態も失態、大失態である。

 当然、遠足は延期する以外に手はなかったはずだが、この社員はとんでもない行動に出た。生徒を装い、遠足に行くなら自殺します、とか何とかテケトーな文言をしたためた手紙を書き、さらにその手紙を、こんなものが落ちていました、と学校に届けたのだという。

 このJTBの社員は、狂言を演じたのである。

 高校は全生徒の安否を確認し、遠足を実施することにしたが、当日になってバスが一台も姿を見せないことからJTB社員の偽装工作だったことが発覚した。当たり前です、どーしてすぐにバレる嘘をつくかね。

 しかし、前日になってバスの手配を忘れていたことに気づいたJTBの社員は、さぞかし青ざめたことだろうと思う。

 「え~っと、東山動物園の団体入場券は……、ある。ナガシマスパーランドの団体入場券も……、ある。タイムテーブルもばっちり。よし、あと忘れてないのは……」

 きっとこんな感じで確認をしていたのだろう。でも、彼は忘れものをしていた。海外旅行に行くのに、成田に着いてパスポートを持っていなかったことに気づいたくらいびっくりしただろう。

 このJTBの社員だけがそうなのか、それともJTBの社風がそうなのかは知らないが、業務に重大な過失が発覚し、しかも遠足の前日でもうバスの手配もできないとなれば、普通ならば先方に事情を説明して詫び、そのうえで善後策を練るはずだが、JTBの社員はそれをしなかった。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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