アラートで「火元」を
リアルタイムに把握

「風評被害の多くは2ちゃんねるやTwitterから広がります。当社は2ちゃんねるに投稿された情報について独占商用利用許諾契約を締結。火種となりそうなリスク情報の早期発見と早期対応を支援しています」と成瀬氏は述べる。

 2ちゃんねるでは日々膨大な量の文章が書き込まれる。例えば、あるテレビ局の番組がスレッド(特定のテーマに関連する投稿の集まり)で批判された際、番組のスポンサー企業にも飛び火した。企業は自社に関連するスレッドだけでなく、2ちゃんねる内のさまざまなスレッドを監視して、早期に対応することが求められているのだ。

 こうしたリスク情報の早期発見に役立つのがアラート機能である。炎上の火元となる2ちゃんねるとTwitterで書き込み件数が急増したり、普段書き込まれることのないワードが見つかったりするなど異常が発生した場合、書き込みのURLと本文をリアルタイムで検知、報告する。これにより、異常事態の発生をいち早く把握できる。

メール報告を生かし
業務妨害を沈静化

「e-mining」は報告件数と報告内容の差分を抽出して毎朝、メールで報告する。ある企業ではこの報告を通じ、ネットの投稿者たちが企業に集中的に電話をかけて業務を妨害する「電凸(電話突撃)」の予定を2ちゃんねるに書き込んでいることを把握。そこで、コールセンターなど社内の関連部署へ対応策を緊急連絡した。コールセンターのオペレータは対応策に従って電話応対することで沈静化に向けた対応ができたという。

 ソーシャルリスクが厄介なのは、2ちゃんねるやTwitter、ブログなどの投稿をまとめて表示する「まとめサイト」に、再度掲載される可能性があることだ。事実かどうかは別にして、ネットのニュース記事になるなど、多くの人にネガティブな情報が拡散してしまうリスクがある。
 そこで、成瀬氏は「日ごろからネット上のさまざまな情報を監視することが必要です。これにより、いち早く状況の変化を察知できます」とリスク回避の手立てを述べる。

 早期対応には自社で監視することが基本だが、24時間365日の監視体制をアウトソーシングするニーズもある。ホットリンクはシステム監視に加え、有人による監視サービスを提供する会社と提携。今後、ソーシャルとビッグデータを軸にさまざまなパートナーと連携することで、企業の要望に応えるサービスを提供していく計画だ。