<4573> アールテック 1079 -51
創薬ベンチャーのアールテック・ウエノ<4573>は14日、2014年3月期決算を発表。売
上高は前期比23.4%増の56.18億円、営業利益が同80.9%増の14.19億円、経常利益が
同65.9%増の14.77億円、純利益が同89.1%増の10.62億円だった。2月に発表した計
画に対して、売上高が5.9%、営業利益が10.4%、経常利益が12.3%、純利益が
24.3%と、売上・利益いずれも計画を大きく上振れての着地だった。
売上については、AMITIZA(R)カプセルの北米向け納入価格の変更や日本での販売が
好調に推移。利益面においては、網膜色素変性治療薬の第3相臨床試験やドライアイ
治療薬の第2相臨床試験前期を行っているため、研究開発費が増加したものの、
AMITIZA(R)カプセルの増収に伴う売上総利益の増加等による。
15年3月期については、売上高が前期比2.6%増の57.63億円、営業利益が同0.8%増の
14.31億円、経常利益が同2.9%減の14.34億円、純利益が同5.5%減の10.03億円を計
画。レスキュラ(R)点眼液については、納品数量の減少や薬価改定(1.6%引き下
げ)の影響から減収を見込んでいる。
AMITIZA(R)カプセルについては、北米市場で慢性特発性便秘症治療薬、過敏性腸症
候群治療薬やオピオイド誘発性便秘症治療薬として販売は堅調に推移しているもの
の、競合品等の影響を見込んでいる。一方、日本市場では慢性便秘症治療薬として販
売は堅調に推移しており、増収を見込んでいる。なお、研究開発費については、網膜
色素変性の第3相臨床試験及びドライアイ治療薬の第1/2相臨床試験の臨床試験費用が
発生するため、15.45億円(前期比12.6%増)を見込んでいる。
アールテック・ウエノ<4573>は、眼科・皮膚科向けに特化した創薬ベンチャー企業。
緑内障・高眼圧症治療薬である「レスキュラ(R)点眼液」の製造販売、便秘症治療
薬「AMITIZA(R)カプセル」の受託製造など既に収益化している事業があり、創薬に
かかる開発費や安定配当を継続できるだけの収益力、財務体質を確立している。ま
た、開発テーマは医師目線でのニーズが高い医薬品にターゲットを絞り、ミドルリス
クでハイリターンが得られる分野に絞っている。