「ターンアラウンド」叫ぶソニー
今期500億円の最終赤字予想

 電機3社の2014年3月期(2013年度)は、パナソニックとシャープが3年ぶりの黒字を達成した一方で、ソニーだけ苦境から抜け出せず最終赤字に沈み、明暗がくっきりと分かれた。

 15年3月期(14年度)最終利益でパナソニック1400億円、シャープ300億円と予想する一方で、ソニーは500億円の最終赤字予想となった。

 ソニーの課題は赤字が続くエレクトロニクス事業。スマートフォンなどのモバイル、ゲーム、デジカメ、テレビ・オーディオ、半導体などの主要5分野合計で13年度は952億円もの赤字。赤字幅は11年度1702億円、12年度1344億円と徐々に縮小しつつあるものの、依然として赤字体質から抜けられなかった。

 5月14日に開かれたソニーの決算発表の席上、エレクトロニクス事業について吉田憲一郎CFOは、平井一夫CEOがこの数年言い続けているように「ターンアラウンドを目指す」と話した。だが、週刊ダイヤモンド4月26日号で指摘したように、四半期の決算発表のたびに業績の下方修正を繰り返し、2013年度も3度の下方修正を経て決算発表に至った経緯から、その宣言は空虚に響く。

退院間近のパナソニックとシャープの傍らで<br />脈の弱いソニー、電機3社決算の明暗を分けたもの

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