■課題3.
思いついたアイデアに自信が持てません。
どのようにすればよいのでしょうか?

 これまでを通してお話しした当たり前のことをテクニカルにやっていくと、仕上がりはまったくちがうものができます。ただ、企画が通っても不安に思うことはよくあります。そのとき、企画書を診断するための座右の銘があるかないかが大事なポイントだと考えています。

 私の場合は、世阿弥「風姿花伝」から自分なりにアレンジした

「面白いか、新しいか、珍しいか」

 です。

 意外にこの3つをそろえるのはむずかしいのです。ただ、この3つがそろえば自信を持って、企画が進められます。

受講者の声に全回答

 当日の授業で寄せられた質問の中から、リアルタイムで答えた6問と、時間の問題で回答できなかった9問、計15問の回答を一挙紹介!

問1.
どうすれば効率よく企画を進行できるのか考えたりしますか?

 普通は、ブレーンストーミング(ブレスト)をよくやりますよね。私は(オフの場の)雑談を勧めます。ブレストは、結局、上下関係とかを気にしてしまい、効率がよくありません。対等な関係で話すブレストはいいのですが、オフの場の雑談のほうがいい。オフィシャルの場に無礼講はありませんから。

問2.
企画を練る時にいろいろな人の意見を入れすぎて、結局自分にとって面白くない企画になってしまいます。売れればいいのだと割り切るべきでしょうか?

 自分が面白がれないものは、絶対うまくいかないのです。自分の面白いと思う部分は、1点は必ずのこす。そして、問いのような場合は、相手に選択させるのです。自分の意見に寄せたモノと相手の意見に寄せたモノを用意し、2択にして。ただ、両方とも自分で面白いと思えるものがないとダメです。たとえ、相手の意見に寄せたモノであっても、企画が通ってしまえば、少しずつ自分側に寄せていけばいいのです(笑)。

問3.
新しい企画を考えるとき、最初に技術的な目新しさ(実現可能性など)を考えてしまうのですが、技術についての力点の置き方はありますか?

 いま、モバイルの仕事もしていますが。毎日のように技術が変わっていく分野です。さすがに、若い方には勝てません。こういうときは、得意な人間を味方に付けることです。最終的にはユーザーの気持ちが大事。そこは私のほうが長けているので、チームワークが重要です。