米タイヤ大手グッドイヤーから資本・業務提携の解消を求められていることが明らかになった住友ゴム工業。両社はこれまで「ダンロップ」や「グッドイヤー」ブランドにおいて、日本では住友ゴムが、米欧ではグッドイヤーが主導権を握り、合弁事業を展開してきた。グッドイヤーは住友ゴムの「反競争的行為」を理由に、国際商業会議所に仲裁を申し入れており、住友ゴムはこの内容に反論するものの、提携解消には応じる方針だ。池田社長の本音に迫った。

住友ゴム工業社長 池田育嗣 <br />グッドイヤーからの別れ話は青天の霹靂いけだ・いくじ/1956年11月7日生まれ、香川県出身。79年京都大学工学部卒業、住友ゴム工業入社。2000年タイヤ生産技術部長、 03年執行役員、07年取締役常務、10年取締役専務、11年社長に就任。好きな食べ物は讃岐うどん。阪神タイガースの大ファン。
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――グッドイヤーからの提携解消と仲裁申し立てには相当、動揺されたのでは?

 青天の霹靂だったかと聞かれれば、そうですね。欧米でのダンロップブランドのシェアは、グッドイヤーに頑張ってもらえれば、まだまだ伸びる余地があります。だから私どもは、グッドイヤーとのアライアンスは非常に大事なものだと思ってましたよ。けど、あちらは仲裁申し立てまでしてこの関係を解消したいのか、と。

 アライアンスも15年経ちまして、日米欧での協力体制というよりは、新興国でのコンペティターという色合いが濃くなってきたのは事実です。グッドイヤーとしては当社とのアライアンスに魅力が少なくなってきていたんでしょう。

――住友ゴム側に反競争的行為が見つかった、とグッドイヤーは主張しています。

 反論したい気持ちや言いたいことは山のようにあるんですけど、国際商業会議所を通じてやり取りをしている最中で守秘義務があり、詳しいことは今は何も言えません。ただ一つ、グッドイヤーとは見解の相違があり、到底見過ごすことはできません。おかしいものにはおかしい、と断固としてこちらも主張していきます。