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強すぎる巨人の陰で、セ・リーグの戦力格差が拡大していく悪循環

相沢光一 [スポーツライター]
【第73回】 2009年9月29日
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 巨人がセ・リーグの優勝を決めた。

 V9以来の3連覇という偉業である。にもかかわらず世間の盛り上がりは今ひとつだった。優勝決定試合の地上波の視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区)は瞬間最高こそ16,6%(原監督の胴上げシーン)だったが、平均は10,0%。10年前は年間の平均視聴率でも18,5%だったから、ひと昔前の常識からは考えられない低視聴率だ。

クライマックスシリーズが
リーグ優勝の価値を下げた

 新聞もスポーツ紙や親会社の読売は大々的に報じたが、他の一般紙の扱いは控え目。巷の話題になることも少なかった。

 こうした冷めた反応の要因はいくつか考えられる。

 まずあげられるのは、プロ野球が世間一般の娯楽から、コアなファンの楽しみに変わったこと。ペナントレースが常に注視されるものではなくなっているのだ。

 クライマックスシリーズ(CS)が行われるようになった影響も大きい。リーグ優勝しても、その代表として日本シリーズで日本一を争うことはできず、プレーオフを戦わなくてはならない。リーグ優勝は日本シリーズへの「予選1位通過」というとらえ方をされてしまうのである。

 また、間が悪いことに優勝決定時はCS進出圏の3位争いで東京ヤクルト、阪神、広島の3チームがデッドヒートを展開。ファンの間では「巨人の優勝より、3位争いの方が見応えがある」とも言われていた。

 しかし、それよりも盛り上がりを阻害したのは巨人の圧倒的な強さだろう。優勝決定時点で2位中日とは11ゲームという大差をつけていた。対戦成績を見ても、中日には15勝6敗、東京ヤクルトには17勝4敗1分、広島には10勝6敗3分、横浜には18勝5敗のワンサイド。唯一阪神だけが11勝11敗2分と五分の星を残したが、4チームがこの状態では優勝の価値を高める緊迫感などまったくない。

 優勝翌日、スポーツ報知の記者は「巨人が強ければアンチ巨人が増える。アンチが増えれば、その対抗意識で球界が盛り上がる」という主旨のコラムを書いていたが、阪神以外のファンはアンチを通り越してシラけてしまうような強さだった。試合を見ていると、それほどの力の差を感じた。

 なぜ、これほどの強力チームができたのか。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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