株式レポート
5月23日 18時0分
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日本株 底打ち宣言 - 広木隆「ストラテジーレポート」

日本株は底打ちしたと考える。日本株の上値を抑えてきた悪材料、すなわち円高がこれ以上進行するリスクが相当程度、後退したと思われるからだ。

年初来、日本株低迷の背景は、主に米国金利の低下とそれに伴う円高ドル安であった(グラフ1)。その円高も目先のピークを打ったと思われる。円高を招く材料がほぼ出尽くしたからだ。ドル円相場はそれらの材料を受けて一旦100円台をつけたあと、101円台後半に戻っている。これは円高材料をすべて織り込んだうえで、これ以上円高方向に進まないということを意味するものであろう。円高を招く材料とは以下のものである。



1. 日銀の追加緩和期待の後退
ほとんど潰(つい)えたと言ってもよいほどである。追加緩和について尋ねるQUICKの月次調査では、「緩和なし」との回答が前月の9%から今月は24%にまで増加した。「緩和なし」と見込む人は前月までは10人にひとりくらいだったのが、たった1カ月で4人にひとりにまで増えた。これは消費税が上がった4月以降も消費や物価が安定的に推移していることを考慮してのことだろう。

先日の日銀の政策決定会合では市場の予想通りに政策の現状維持が決まったが、その後の黒田総裁の記者会見の最中から円高が進んだ。例によってデフレ脱却に自信をのぞかせる黒田総裁の映像が生中継されると、じりじりと円高が進んだ。追加緩和期待が一段と後退した結果である。

2. 米国の金融緩和長期化観測
一方、ドルのほうにも弱い材料が出た。公表された4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨でFRBは事実上のゼロ金利政策の解除を急いではいないとの見方が示された。

3. 貿易赤字の縮小
4月の貿易収支は8089億円の赤字。赤字は22カ月連続だが、消費増税前の駆け込み需要で急増した分が剥落し、輸入の伸びが大幅に鈍化した。貿易赤字は前年比7.8%減と縮小した。貿易赤字の悪化はこれまで円の上値を抑える材料となってきたが、その円にとっての悪材料が改善したのだから、円買いが加速してもおかしくはなかった。

4. テクニカル・サポートラインの下抜け
ドル円は長く200日移動平均が下値サポートとなって推移してきた(グラフ2)。ところが、上記1を受けた円高の進行でこの支持線を下抜けてしまった。サポートラインを失った相場はふつうであれば円高が一段と加速するところであろう。



ところが、これだけの円高要因が重なっても、ドル円相場は円高となっていない。これ以上、円にとって買い材料が出てくることも想定しにくく、円相場は目先ピークアウトしたものと考える。で、あるならば、日経平均も1万4000円が底値とみていいだろう。

底は打ったが、すぐに上昇基調に転じるかはわからない。日経平均の上値には重要な節目がいくつかあり、そこで何度か足踏みを強いられるだろう。

まずは心理的な節目である1万4500円の大台に終値で乗せることが重要となる。1万4500円の大台には3月4月と今年に入っての戻り局面で2回とも上値を抑えられた75日移動平均が垂れ下がってきている。これを抜けるか3度目の挑戦になる。さらに1万4500円台には一目均衡表の雲が横たわる。しかし厚い雲ではないので上に浮上するのはそれほど難しくはない。雲を抜けると次には1万4600円台にある200日移動平均がチャレンジになる(グラフ3)。但し、そこを抜けてしまえば、週足の26週移動平均がある1万5000円手前まで、上値抵抗はない。



6月以降は、政府の経済財政運営の基本指針「骨太の方針」や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革などを材料に株価水準がじわりと上方修正されると思う。法人税率の引き下げが具体的に示されることなどが肝要だろう。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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