なぜ、そのジュースは150円なのか?

 突然ですが、質問です。

 みなさんは、ふだんからいろんな商品を買っています。たとえば、今日もペットボトルのジュースを買ったかもしれません。そのジュースは150円でした。では、なぜ150円なのでしょうか?

 それが相場だから? では、その相場は誰が決めたのでしょうか? なぜ、150円と決めたのでしょうか?

「150円分の満足感があるから」

 近代経済学では、そのように語られます。マーケティング理論でも同じことが言われているかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか?

 あなたはジュースを買うときに150円分の満足感があることを実感して買っていますか? おそらくそうではないでしょう。

 また、朝も夜も、真夏も真冬も、ペットボトルのジュースは同じ150円で買っています。その時々で満足感は違うはずですが、値段は一緒です。これはつじつまが合いません。

「消費者は、自分が感じる満足感と比べて商品を買う」
「その商品から得られる満足感を金額換算し、それより安ければ買う」

 と言われます。しかし、じつは、そうではないのです。商品の値段はまったく別のロジックで決まっていたのです。