しんどい状況から抜け出すために、
みんながやっていること

「給料が上がらない」
「いつまでたっても生活が楽にならない」
「仕事が忙しすぎる」

 多くの人がそう感じながら働いています。そして、なんとかその状況を打開しようとしています。しかし、その「対策」が間違っているのです。

 このしんどい状況を打開するために何をしているかと言えば、ある人は、より成果を上げるために、長時間労働します。またある人は、スキルアップのためといって、資格を取得しようとします。

 ですが、これらは解決策になりません。まず、より成果を出せたとしても、さほど給料は上がりません。給料は、労働力の「使用価値」ではなく、「価値」で決まっています。そのため、使用価値(会社にとってのメリット)を上げても効果は薄いのです。

 前に紹介した通り、成果給は基本給のうち5%程度です。それくらいしか考慮されないのです。繰り返しますが、労働力の使用価値は必要です。商品には「価値」と「使用価値」がなければいけませんので、成果を上げなくていいということではありません。

 では、資格を取得するのはどうでしょうか?これは、さらに”筋が悪い努力”です。というのは、労働力の「価値」の視点が抜けている可能性が大きく、また「使用価値」の視点については、完全に抜け落ちているからです。

 資格を取ろうとするのは、資格を取りさえすれば、給料が上がると思っているからです(少なくとも、昇給の手助けになると思っています)。ですが、給料の金額は、その仕事を続けるのに必要なものだけを考慮しています。

 仕事にまったく関係ない資格を取っても意味がありません。また、本来は、この仕事に必要な知識やスキルを身につけようという発想で勉強をすべきです。「資格を取りさえすれば」と感じている時点で、順序が逆です。それでは、資格を取得することが目的になり、それが仕事に使えるか、つまり自分の「労働者としての使用価値」を上げるかどうかはわかりません。

 転職に有利と考えて資格を取得する人もいますね。そのパターンも一緒です。転職に有利な資格もあるとは思います。資格がなければできない仕事もあります。

 でも、それ以外は「資格を持っていれば、即仕事ができる」というものではありません。資格とその資格を取るときに身につけた知識・スキルは、あくまでも補助です。資格を取ればそれだけで何とかなるわけではありませんね。