誰も助けてくれない。
それが現実

 ちなみに、僕は大学生のころ寮暮らしをしていて、実家からは毎月2万円の仕送りをもらっていました。貧乏学生のなけなしの生活費です。

 ところが、この仕送りが届くころになると、決まって先輩から電話がかかってきて「おまえ、仕送り届いたか?」と聞かれました。それで「はい、2万円届きました」なんて正直に言ってしまうと、「じゃあ、それ持って出てこいよ」と無理矢理呼び出され、新宿や下北沢へ飲みに行くわけです。

 ときには、キャバレーのようなところへ連れて行かれ、店の女の子と一緒に飲んで、騒ぐこともありました。ひとしきり騒いだ後、お会計はもちろん僕の仕送りから払うことになります。当然ながら、後日返してもらえるなんてこともありません。

 たまたま寮には朝食と夕食がついていたので、昼食さえ我慢すれば何とか生活はしていけました。でも考えてみれば、こんな理不尽な話はないでしょう。

 しかし、文句を言っても仕方がないのです。それが現実なのですから。自分で何とかするしかありません。