泥の中から花を咲かせるために

藤野 あ、そうだ、会社と誕生日と名古屋と、もうひとつの共通点を思い出しました! 

白木 え、なんですか?

藤野 僕が今経営している「レオス・キャピタルワークス」の昔のアイコンは蓮の花なんですよ。HASUNAさんの社名も蓮の花が由来なんですよね。

白木 そうです、そうです。会社のモティーフも蓮のつぼみで。藤野さんはどうして蓮の花を?

藤野 僕、泥みたいな濁った水から信じられないくらい綺麗な花を咲かせる蓮の花がとても好きで。これは、自分が社会でやろうとしていることにぴったりだと思ったんです。資本主義やマーケットは美しくないと思っている人が多いし、実際、美しくないことをしている人だって少なからずいます。それでも、そこから美しい花を咲かせたい、と。

白木 美しい花……藤野さんらしくて素敵ですね。

藤野 それで、なんとか会社名に使おうと思ったんだけどなかなかうまくいかず(笑)、せめてもということでアイコンに使ったというわけ。

白木 そうだったんですね! 今の会社名、「レオス・キャピタルワークス」の「レオス」はどういう意味ですか?

藤野 「流れ」という意味です。流れをつくって資本をはたらかせて世の中を良くしていきたい、と思ってつけた名前です。結局、根っこにあるのは世の中に対してポジティブな影響を及ぼしたいという点だったんですよね。このようないきさつがあったから、HASUNAという社名を見たとき、白木さんに「どうしてこの名前にしたんですか?」と思わず聞いて。

白木 そうでしたね。由来は、HASUNAもほとんど同じなんです。まさに泥、つまり世界で起こっているたくさんの問題を浄化するようなジュエリーがつくれたら、という思いからこの名前をつけたので。

藤野 でも、まさにその通りのことをしていますよね。僕から見ると、白木さんは特異な起業家だと思います。

白木 え、特異って……どんなところでしょうか?