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着実に力強さを増す米国経済と投資のヒント - マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部「米経済の「今」を読む -経済指標動向-」

ISM製造業景況感指数  5月 55.4  市場予想 55.5  前月 54.9

■着実に力強さを増しつつある米国経済
2日に5月分のISM製造業景況感指数が発表となった。発表元の全米サプライマネジメント協会(ISM)のミスにより、当初誤った数値が発表され、その後2度にわたって訂正された。それによってマーケットが混乱したものの、最終的に54.9と前月から0.6ポイント改善して5ヶ月ぶりの高水準を記録した(グラフ参照)。米国経済が寒波による落ち込みから立ち直り、拡大基調にあることを改めて示す結果となった。


ISM製造業指数のヘッドラインはアンケートの質問項目のうち、「新規受注」・「生産」・「在庫」・「雇用」・「入荷遅延」の単純平均で算出されている。指数の詳細を見ていくと、下記のグラフに示したように「新規受注(55.1→56.9)」と「生産(55.7→61.0)」の2項目が改善してヘッドラインの改善を牽引した。


これらの改善は企業の生産活動が活発化していることを意味しており、米国経済の先行きを示す上でポジティブな内容だ。「雇用(54.7→52.8)」が悪化した点が気がかりではあるが、新規失業保険申請件数など労働市場のその他の指標は改善傾向にあるため、現時点で過度に悲観する必要はない。

■ISM製造業指数の発表を受けたマーケットの反応と投資のヒント
前述したISMのミスにより米国の株式市場と債券市場は混乱したが、正しい内容が発表されて取引が終わってみればダウ平均やS&P500は上昇して史上最高値を更新、そして債券は売られ長期金利は上昇した。長期金利の上昇に連動してドルが買われ、ドル円は102円40銭程度まで円安ドル高が進行した。

昨年末に3%程度まで上昇した米国の長期金利だが、足元は一時2.5%を割り込むところまで低下しており、ドルの上値が重い要因となっている。5月2日に発表された雇用統計の際のように経済指標が良好であっても、債券が買われて長期金利が低下するという不可思議な反応を見せる傾向にあった。それが今回、ISM製造業指数の改善つまり米国経済の改善基調が確認されると、株が買われ債券が売られるというある種健全な反応がマーケットに見られた。今後夏から秋にかけて米国経済がさらに改善し、今回と同様に債券が売られて長期金利が上昇すれば、円安ドル高が進むことになると考えられる。つまり米国経済の改善は米国株高と同時に長期金利の上昇を通じて円安ドル高をもたらす。言うまでもなくこれは日本株にとって非常にポジティブな材料となるだろう。

■用語解説
ISM製造業景況指数
ISM(Institute for Supply Management 供給管理協会)が発表する景気転換の先行指標である。供給管理協会が企業の担当者にアンケート調査を実施して作成しており、主要経済指標の中ではいち早く発表されることから景気の先行指標として重要視されている。数値が50を上回れば企業の景況感が好転、50を下回れば悪化していることを示す。製造業、非製造業それぞれ別に指標が発表される。

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