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6月16日 18時0分
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イラク情勢の悪化などから利益確定売りに押される - 米国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の米国株式市場
―イラク情勢の悪化などから利益確定売りに押される―


<先週の概況>

先週の米国株式市場は下落しました。史上最高値を更新し高値警戒感が強まっていたところに、イラク情勢の悪化や共和党大物議員が予備選で予想外の敗北を喫したことなどから不透明感が高まり、利益確定売りに押されました。

ハイテク株の比率の高いナスダック総合指数も下落したものの、下落率はダウ平均などと比較して小幅にとどまりました。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

ダウ平均採用の30銘柄中週間ベースでの上昇は8銘柄にとどまりました。4―6月期の売上高見通しを従来の125億〜135億ドルから134億〜140億ドルに引き上げたインテル(INTC)が大きく上昇しました。インテルは通期の売上高見通しについても、従来の横ばい予想からわずかに増加(some revenue growth)に変更しました。イラク情勢が悪化し、原油先物価格が急騰したことを受けシェブロン(CVX)やエクソン・モービル(XOM)といったエネルギー関連銘柄が堅調に推移しました。

<下落>

ボーイング(BA)は共和党の有名議員が予備選で「ティーパーティー(茶会党)」と呼ばれる保守系議員に敗れ、現在同社に行われている低金利融資が再承認されないリスクが浮上したことで大きく売られました。

先週発表された主な経済指標

小売売上高(自動車・ガソリン除く 前月比) 5月 +0.0% 市場予想 +0.4% 前月 +0.3%

12日に5月の全米小売売上高が発表され、変動の大きい自動車・ガソリンを除いた売上高は前月比変わらず、4月分は-0.1%→0.3%に上方修正されました。

米国GDPの約7割は個人消費が占めているため、その動向を判断する上で小売売上高は重要視されます。5月分は伸び悩みましたが、4月分が上方修正されているため、現時点で大きく悲観する必要はないと考えています。来月分の発表など個人消費動向に変化が起きていないかどうか慎重に見極めたいところです。


今後発表される主な経済指標

6月17日 住宅着工件数(年率換算) 5月 市場予想 107.2万件 前月 103.6万件

17日に住宅着工件数が発表されます。12月から2月にかけて米国を襲った寒波の影響で、冬の間に米国の経済指標は一時的に落ち込みましたが、個人消費や労働市場などの多くの指標は、好調さを取り戻しています。ただ、住宅関連指標は最悪期は脱したものの、販売件数などは昨秋の水準を取り戻せていません。

イエレンFRB議長は低調な住宅市場が米国経済のリスク要因であるとの懸念を表明しています。

今週は着工件数の他にも住宅市場の先行指標とされるNAHB住宅市場指数も発表されます。住宅市場が力強さを取り戻せるか注目されます。


マーケットビュー

先週の米国株式市場はイラク情勢の悪化などで不透明感が強まったことから利益確定売りに押されました。それでも週末の13日には反発するなど本格的な調整局面に入った雰囲気はありません。

今週から来週にかけて住宅市場関連の重要な経済指標が複数発表されます。経済指標の解説欄でも記したように、米国の住宅市場は改善傾向にはあるものの、まだ昨秋の水準を取り戻せていません。FOMC(連邦公開市場委員会)ではイエレン議長の他にも複数の参加者がリスク要因として住宅市場の回復の遅さを指摘しました。

住宅部門の回復は「関連消費の拡大」と「住宅価格上昇による資産効果」の2つの点で景気押し上げ効果を期待できます。6月9日のレポートのマーケットビューでも記したように、米国株式市場の一段の上昇は4―6月期の企業業績が発表される7月以降だと考えていますが、今週から来週にかけて発表される住宅関連指標が強い内容であれば下期の景気回復期待の高まりから、マーケットを下支えすると考えています。逆に各指標の改善基調が弱まり力強さのない内容の発表であれば、株式市場の目先の調整要因となる可能性がありそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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