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2014FIFAワールドカップ・ブラジルが開幕
誰のために応援し、誰のために戦うのか

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第78回】 2014年6月20日
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 2014FIFAワールドカップ・ブラジル(← 報道以外の印刷物でW杯を表記するときはこう呼ばないと電通がうるさいらしい)がたいへん盛り上がっている。しかし、前大会の覇者スペインはどうしちゃったのかしら。

 テレビ東京がW杯二日めのチリ対オーストラリア戦を放映した際、キャスターの勝村政信さんが、いったいいつ寝ればいいんだ、とボヤいていたが、いやはや全くそのとおりなのである。

 先週金曜日にブラジル対クロアチア戦が放映されると、二日目以降は日付が変わる時刻から立て続けに三試合が放映される。ブレスレスなのである。

 十四日のチリ対オーストラリア戦が終わったのなんて午前九時。完全な徹夜です。ふつうならここで布団に入るのだが、一時間ほど休んで、私はすぐに東京に向かった。正しくは外苑前。

 神宮球場では全日本大学野球選手権大会が開催されており、母校が二十二年ぶりの準決勝進出を果たしたのである。福岡ダイエーホークス(当時)に進んだ渡辺秀一くん以来だぞ。OBとしては、応援に行かないわけにいかない。

 ということで眠い目を擦りながら出かけたのだが、母校は愛知学院大学を破り、決勝進出を決めてしまった。最近は駅伝もほとんどシード落ちで低迷してるし、大学選手権の決勝進出は喜ばしいことではあるのだが、そーしたらまた明日も応援しなきゃならないじゃん、なのである。

 試合は午後二時過ぎに終わったので、私はタクシーを飛ばして都内の美術展をはしごした。野球を見なければ、この週末は美術館巡りをする予定だったのである。でも、美術館のはしごってよくないね。絵画の一枚一枚が頭に刻み込まれない。中途半端に見て終わっちゃう感じ。というのがわかっているのにまたやってしまう。しまった、明日であの展覧会終わりだ、とか言って。

 W杯二日目の三試合と大学野球を観戦して美術館をはしごして、いい加減睡魔に襲われたので帰ろうと思ったら家内から電話があって、ねえあなたぁ、今日はどこかでお食事しましょうよぉなどと言うので元町で待ちあわせて食事をしたのはいいが、腹が膨れるとさらなる睡魔が押しよせてくるというのに、まだ十時前だしちょっと飲んでいきましょうよぉなどと家内の友だちがやっている関内のバーに行き、しかし私の睡魔は限界で気がついたらカウンターに突っ伏していた……、なんてことはありませんか。目覚めたとき、最初に気にしたのは時間だ。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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三面記事は、社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。煩瑣なトピックとゴシップで紙面が埋まったことから、かつては格下に扱われていた三面記事も、いまでは社会面と呼ばれ、総合面にはない切り口で綴られるようになった。私たちの日常に近い三面記事を読み解くことで、私たちの生活と未来を考える。

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