ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
金融市場異論百出

企業金融支援発表の日銀に必要
「泳ぎの達者な人」を救う対応

2008年12月11日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 「『あまりにも少なすぎ、あまりにも遅すぎた』というのは、中央銀行だけでなく、あらゆる活動についての用語集の中で最も悲しい成句の1つである」。C・P・キンドルバーガーは名著『金融恐慌は再来するか』(原書初版は1978年)の中でそう述べている。

 ブームの後の金融市場の混乱のなかで、中央銀行などが「最後の貸し手」として市場に適切に流動性を供給することは非常に重要である。

 しかし、金融機関を救済するタイミングには難しさもある。「ある程度の不確実性は市場の自立性を形成する上で有用である」。モラルハザードを避けるには、「曖昧さ」があるほうがよいという。

 ただし、「『泳ぎの達者な人を溺れ死にさせるまで泳がせる』ようであってはならない」とキンドルバーガーは主張している。「支払い能力のある企業まで流動性不足に陥るほどに危機を拡大するのを待っていてはならない」。

 結局、最後の貸し手の信用供与のタイミングは、「1つの技術であるというよりほかはない」という。

 日銀は12月2日に臨時金融政策決定会合を開いて、企業金融支援対策を発表した。銀行間だけでなく、企業の年末越えの資金繰りにおいても逼迫感が高まってきたためである。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


金融市場異論百出

株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。

「金融市場異論百出」

⇒バックナンバー一覧