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トンデモ人事部が会社を壊す

「もう人事部とは口をきかない」
最新制度導入がもたらした人事無責任体制

山口 博
【第2回】 2014年7月1日
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人事ビジネス・パートナー (課長級)「業務委託契約書の作成は、人事管理課の仕事でしょ!」
人事管理課長「引き受けたのは人事ビジネス・パートナー・チームなのだから、そっちで作成しないさいよ!」
人事ビジネス・パートナー「事務は、人事管理課がやるべきです。人事ビジネス・パートナーは事務を一切しません!」
人事管理課長「そんなこと誰も決めてない!」

 パーティション越しに、女性2人の赤裸々な言い争いが聞こえてくる。どうやら業務の押し付け合いが繰り広げられているようだ。事の発端は、グループ会社で最新の人事制度「人事ビジネス・パートナー制度」を導入したことに遡る。

 当時、私が人事部長を務めていたソフトウエア会社では同制度を導入、グループ企業のバックオフィス業務を統括する関連会社・R社に人事業務の一部を委託することになった。R社は、他部門や関連会社に対して、部門人事担当者や、関連会社人事担当者を配置して、人事業務を提供する。つまり「人事ビジネス・パートナー制度」のサービスをグループ会社に対して提供する会社だ。同制度では、これらの人事担当者のことを、人事ビジネス・パートナー、または、HRビジネス・パートナーと称している。

 私は、その業務委託契約手続きのためにR社を訪問した。

業務の押し付け合いが止まらない
人事管理課長と人事ビジネス・パートナー

 早速私はR社を訪問し、人事ビジネス・パートナーの方と打ち合わせを始めた。すると、「業務委託契約の件でしたら、担当が違いますので、少々お待ちください」と言われた後、しばらくしてパーティーションで区切られた会議スペースの奥から響き渡って聞こえてきたのが、冒頭の言い争いだ。

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山口 博

やまぐち・ひろし/慶應義塾大学法学部政治学科卒(サンパウロ大学法学部留学)、長野県上田市出身。国内大手保険会社課長、外資系金融保険会社トレーニング・シニア・マネジャー、外資系IT人材開発部長、外資系企業数社の人事部長、人事本部長歴任後、現在、コンサルティング会社のディレクター。横浜国立大学大学院非常勤講師(2013年)、日本ナレッジ・マネジメント学会会員。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)がある。

 


トンデモ人事部が会社を壊す

サラリーマンの会社人生のカギを握る人事部。しかし近年、人事部軽視の風潮が広まった結果、トンデモ人事部が続々と誕生している。あっと驚く事例をひもときながら、トンデモ人事部の特徴や、経営陣がすべき対処法などを探っていく。

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