経営×ソーシャル
おもてなしで飯が食えるか?
【第3回】 2014年7月3日
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山口英彦 [グロービス マネジング・ディレクター、ファカルティ本部長]

「割愛」で顧客満足度を業界トップクラスにできる!?
~おもてなしで頑張らない

オリンピック招致の最終プレゼンを契機に、各所で注視されている「おもてなし」。日本人の細やかな心づかいを製品、サービスに反映させて収益向上につなげようと考える企業は多いと思うが、そこに落とし穴はないか?グロービス経営大学院の山口英彦が近著『サービスを制するものはビジネスを制する』のコンセプト等も反映させながら問いかける連載、第3回。

※この記事は、GLOBIS.JP掲載「おもてなしで頑張らない(おもてなしで飯が食えるか?)」の転載です。

 先日、ある会合でお会いしたITサービス企業の役員の方から「弊社のサービス水準を向上させるため、ホテル業界あたりで経験を積まれたおもてなしのプロに指導を願いたいのだが、誰か紹介してもらえないか?」と相談を受けました。

 私は(先方の意気込みに水を注すのは申し訳ないと思いつつ)「指導を受けないよりは受けた方がマシかもしれませんが、適切な打ち手は他にあると思いますよ」とお返事して、いくつかの代替策を提案しました。このIT企業に限らず、ディスニーランドやリッツ・カールトンといった有名ブランドのノウハウに学んで、自社のサービス向上に活かそうとする企業は少なくありません。でも、何かずれている気がしませんか? 経営者がおもてなしという、ともすれば精神性にのみ拠りがちな方策を語ることで、仕組みの構築等で対処すべき現場の根本的な問題から目が逸らされてしまっている…そんな印象を私は受けています。

 こうした問題意識も反映し、今回のタイトルは「おもてなしで頑張らない」です。

 「これから日本のサービスを、おもてなしを武器に盛り上げていきたい」と意気込んでいる人から見れば、拍子抜けするタイトルかもしれません。でも、おもてなしブームに乗せられて、自分のビジネスで「おもてなし強化するぞ!」なんて掲げてしまう前に、

・わざわざ難易度の高いおもてなしで勝負する必要があるのか?
・(おもてなしで勝負するにしても)現場がやるべきことを思い切って絞り込めないか?

を一考していただきたいのです。

山口英彦[グロービス マネジング・ディレクター、ファカルティ本部長]

東京大学経済学部卒業、ロンドン・ビジネススクール経営学修士(MBA、Dean's List表彰)。 東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)、ボストンコンサルティンググループ等を経て、グロービスへ。現在は同社の経営メンバー(マネジング・ディレクター/ファカルティ本部長)を務めながら、サービス、流通、ヘルスケア、エネルギー、メディア、消費財といった業界の大手企業クライアントに対し、戦略立案や営業・マーケティング強化、新規事業開発などの支援・指導をしている。また豊富なコンサルティング経験をもとに、経営戦略分野(新規事業開発、サービス経営、BtoB戦略など)の実務的研究に従事。米国のStrategic Management Society(戦略経営学会)のメンバー。 主著に『法人営業 利益の法則』(ダイヤモンド社)、『サービスを制するものはビジネスを制する』(東洋経済新報社)、『日本の営業2011』(共著、ダイヤモンド社)、『MITスローン・スクール 戦略論』(共訳、東洋経済新報社)。


おもてなしで飯が食えるか?

オリンピック招致の最終プレゼンを契機に、各所で注視されている「おもてなし」。日本人の細やかな心づかいを製品、サービスに反映させて収益向上につなげようと考える企業は多いと思うが、そこに落とし穴はないか?グロービス経営大学院の山口英彦が近著『サービスを制するものはビジネスを制する』のコンセプト等も反映させながら問いかける。

「おもてなしで飯が食えるか?」

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