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産業レポート

原燃料高騰、低収益の二重苦
改革待ったなしセメント業界

週刊ダイヤモンド編集部
【第19回】 2008年10月8日
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石炭をはじめとする原燃料価格の上昇により、セメント業界が苦境に立たされている。今春には業界で久しぶりの大幅な値上げを実施し、成功した。だが原燃料の急激な高騰はそれをも上回り、さらなる値上げが避けられない。世界的に見て低収益の日本のセメント業界は、この値上げを機に高収益産業へと脱皮できるのだろうか。

 「値上げ幅は少なくとも1トン当たり1000円。のんでもらえなければ供給をやめる覚悟だ」

 三菱マテリアルと宇部興産の営業・物流部門を統合した宇部三菱セメントの井藤希常務営業統括部長は、2008年のセメントの価格交渉に当たり、こう腹をくくっていた。

 セメントの原燃料である石炭価格は04年頃から急上昇。ここ数年、セメント各社は400~500円の値上げを毎年打ち出してきたが、実際には100円程度の値上げしか実現できなかった。

 それが07年夏には石炭が1トン当たり100ドル超と前年の2倍以上に跳ね上がったことで、本格値上げできなければ赤字に転落する事態も現実味を帯びてきた。

 セメント会社の主な販売先は生コンクリート工場であり、実際にはあいだに入る特約店が交渉相手になる。昨年12月には「4月からの値上げ」を打ち出し、今年3月末まで必死になって足を運んだ結果、99%の特約店から了解を得た。

 価格交渉が決裂した一部の特約店は値上げが遅れているセメント会社に流れたが、6月にはほぼ全社が同様の強硬な値上げを実施。宇部三菱のシェアはすぐに戻ったという。オイルショック以来の本格的な値上げが行き渡ったのだ。

悪しき商慣行見直し
契約書を取り交わし

 セメント会社は生コン工場に出資している会社も多く、両業界はクルマの両輪にたとえられており、無理なセメントの値上げは難しかったが、ようやく踏み切った格好。また生コン業界も販売先であるゼネコンなどに対して値上げを打診し始めた。

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