ダイヤモンド社刊 1890円(税込)

「何の成果ももたらさない仕事が時間の大半を奪っていく。ほとんどは無駄である。地位が高くなれば、その高くなった地位が、さらに時間を要求する」(『経営者の条件』)

 仕事には、時間を無駄にするものがたくさんある。得意先からの電話に「出られない」とは言えない。日曜のゴルフの話であろうと、娘が希望の大学に入ったという話であろうと、得意先の話には耳を傾けなければならない。

 院長は「出てください」と言われた会議には出なければならない。出なければ、医者や看護師や技術者が「自分たちは軽く見られている」と思う。政府機関の長は、議員が電話してきて電話帳や年鑑でわかることを聞いてきても、ていねいに応対したほうがよい。そのようなことが1日中続く。

 誰もが同じ事情を抱えている。成果にはなにも寄与しない仕事に時間を取られる。膨大な時間が、ほとんど、あるいはまったく役に立たないことに費やされる。

 ドラッカーは、ただでさえ時間のないところへもってきて、マネジメント上の欠陥による時間の浪費もあるという。

 少なくとも、すでに起きたことのある問題で同じ混乱を三たび起こしてはならない。混乱に対処できるようになることは進歩とはいえない。対処以前の問題として、予防するか、日常の仕事にルーティン化してしまわなければならない。いちいち時間を取られてはならない。

「よくマネジメントされた組織は日常はむしろ退屈な組織である」(『経営者の条件』)