■ 先週の中国株式市場
―中国株 反発、好調な経済指標を受けて地合いが改善―

<先週の概況>
先週の中国株式市場は反発しました。上海総合指数は前週比12.1ポイント(約0.6%)上昇し、2,059.07ポイントで終えました。香港ハンセン指数も前週比221.34ポイント(0.95%)高の23,454.79で引けました。中国第2四半期のGDPは前年同期比7.5%増と、市場予想を上回りました。また、M2、固定資産投資、鉱工業生産などの経済指標は好調で、相場の地合いが改善しました。

■ 中国株式市場バリュエーション



■ 業種別リターン


■ 香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング


<上昇>
香港ハンセン指数構成銘柄のうち、1銘柄は変わらず、38銘柄は上昇、11銘柄は下落しました。中国乳業メーカー大手の蒙牛乳業はアナリストが株式を「中立」から「アウトパフォーム」に格上げしたことが好感され、買われました。また、先週発表された70都市の不動産価格が軟調となり、不動産崩壊の懸念がある程度後退し、不動産関連のヘンダーソン・ランド・デベロップメントやチャイナ オーバーシーズ ランド インベストメントなどが週間ベースで2%超上昇しました。<下落>
一方、4―6月(第2四半期)の利益が市場予想に届かなかったサンズチャイナは週間で5%超下げました。また、中国工商銀行やチャイナ・ライフ・インシュランスなどの金融関連の株は軟調に推移しました。■ 先週発表された主な経済指標
7月15日 マネーサプライM2(前年比) 6月 +14.7% 市場予想 +13.6%、前回 +13.4%
6月のマネーサプライM2の前年同期比が14.7%増と、10か月ぶりの高い伸びを記録し、前回の伸び率と市場予想を大きく上回りました。
7月16日 固定資産投資(前年比) 6月 +17.3% 市場予想 +17.2%、前回 +17.2%
固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。6月の不動産関連の固定資産投資額は1―6月期に前年同期比17.3%増と、9カ月ぶりに加速に転じました。内訳をみると、鉄道投資の強化や保障性住宅整備プロジェクトが、不動産開発投資の減速をカバーできた形だと見られます。
7月16日 小売売上高(前年比) 6月 +12.4% 市場予想 +12.5%、前回 +12.5%
6月の小売売上高(前年比)は市場予想を小幅に下回った12.4%増となりました。通信機器の売上高が34%増を記録し、建材、医薬品、化粧品、日用品、家電・音響製品、石油製品なども2桁増を確保した一方、自動車は1桁の伸びにとどまりました。また、宝飾品は0.2%減少しました。汚職調査の影響が窺えます。7月16日 鉱工業生産(前年比) 6月 +9.2% 市場予想 +9.0%、前回 +8.8%
6月の鉱工業生産は9.2%増と、5月の8.8%増から上昇し、市場予想を上回りました。9%台に乗せたのは昨年12月以来半年ぶりです。第2四半期の傾向を見ると、中国の生産は底堅く拡張しているようです。
7月16日 国内総生産(前年比) 2Q +7.5% 市場予想 +7.4%、前回 +7.4%
国家統計局の16日の発表によると、中国の第2四半期のGDP成長率は前年同期比7.5%と、市場予想の7.4%を上回り、第1四半期の同7.4%から小幅の加速傾向に転じました。農業または中小企業向けの預貸率規制の緩和(中国語で「定向降準」といわれている)や国外需要の緩やかな回復が成長率の底上げに寄与した格好です。不動産市場の景気下振れ圧力が依然残る中で、李首相は通年のGDP成長目標(前年比約7.5%)達成に向けた強い決意を表明しており、下期もてこ入れ策が続く公算が高いと見込んでいます。16日に開かれた国務院常務会議で、領域限定の刺激策を継続するとともに、金融政策面から農業や中小企業をはじめ、実体経済への支援を強化する方針が確認されたことは注目できます。
■ 今後発表される主な経済指標
7月24日 HSBC中国製造業PMI 7月 市場予想 51 前月 50.7
7月のHSBC中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は日本時間24日10時45分ごろ発表される予定です。上述の6月の鉱工業生産の9.2%の増加率を見ると、中国の生産が回復しつつある傾向が分かりました。仮にこの傾向が続けば、7月のHSBC中国製造業PMIが小幅に改善し、51まで上昇すると見込まれています。

■ マーケットビュー
中国のファンダメンタル面については、先週発表されたGDPをはじめ、M2、固定資産投資、鉱工業生産などのマクロ経済指標が市場予想を上回りました。特にGDPの7.5%の目標を達成できたのはミニ経済刺激策と領域限定の金融緩和が功を奏した証明であり、相場が一段と上昇する支えとなったほか、投資家心理も改善しました。リスク要因としては、ウクライナや中東情勢の緊迫化があげられます。米国のVIX恐怖指数(ボラティリティ指数)は先週木曜日に30%超急騰し、今年の4月15日以来初めて15%を超えました。金曜日に恐怖指数は落ち着いたものの、依然地政学リスクが残っています。また、中国国内で、「13华通路桥CP001」という債券は支払リスクがあると明らかになり、今週にデフォルトを起こすかどうか注目されています。さらに、今週中国の11社の新規株式公開(IPO)が予定されているため、市場から多額の資金が振り向けられ、一時的な需給が悪化する懸念が浮上していることも注意が必要でしょう。
今週の木曜日に7月のHSBC中国製造業PMIが発表される予定であり、また企業の中間決算発表が本格化します。それらの材料を控えて、今週のハンセン指数は一進一退の展開となりそうです。
■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)
■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。
◆マネックス証券 | |||
株式売買手数料(指値) | 口座開設 | ||
10万円 | 30万円 | 50万円 | |
100円 | 250円 | 450円 | |
【マネックス証券のメリット】 日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。 |
|||
【関連記事】 ◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~ ◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手 |
|||