クフンダ・ビレッジで人生が変わったジンバブエの男性

 クフンダ・ビレッジで暮らしている、ジンバブエ人のテンダイさんとは同じ20代という事もあり、4日間のワークショップで仲良くなりました。ワークショップが終わったら、一緒に料理をしたり散歩をしたりしながら、クフンダ・ビレッジに来たきっかけやこれからの夢について話をしてくれました。

 彼は現在24歳で、2013年にこの村にやってきました。実は17歳のときにジンバブエの歴史上、最年少で農業のコースを取り終えたということで、ジンバブエ政府から6ヘクタールの土地を贈与されたそうです。それから季節の作物を育て、すべて自分で土地を管理していました。

 あるとき、あるオーストラリア人の男性が、テンダイさんのこれまでの頑張りを認めてくれて、夢だった養豚場を作るプロジェクトを経済的にサポートしてくれたそうです。しかしそこで、飼育していた豚が全て盗まれるという事件が起きました。夢のプロジェクトを始めて2ヵ月たったときのことでした。夢がなくなり、振り出しに戻った、と当時の苦しい様子を彼は語ってくれました。

 そんなとき、マリアンさんと知り合う機会があり、そこでクフンダ・ビレッジのリーダーシッププログラムに参加しました。2013年の秋のことです。彼は、プログラムを通して、ワールドカフェの手法、ワークショップの参加者を癒すヒーリングセッション、円になって対話を促す方法などを学びました。

 彼は、クフンダで人生が変わったと言います。リーダーシップのプログラムに参加して、諦めていた夢をもう一度見つめ直して、人生の明確な意図を理解することができたそうです。次の自分の人生のステージでどんなコンセプトが必要なのかを理解して、無限に夢を広げて考える機会をクフンダは彼に与えました。

 彼の夢は、弱い立場に置かれたジンバブエの子どもたちに、農業で特に養豚の知識やスキルを教えることを通して、彼らが自分の才能を発掘し、自分次第で未来は開けるということに気づける教育の場を創ることだそうです。

幸福大国デンマークが<br />アフリカにできること
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 マリアンさんはクフンダには、人々が生まれ変わったように変化を遂げることができるマジックがあると嬉しそうに私に話してくれました。さて、そのマジックはどこから来ているのでしょうか。デンマークの驚くところにそのインスピレーションを受けたそうです。