IoTがビジネスを変える!|ダイヤモンド・オンライン
DOL特別レポート
【第463回】 2014年7月31日
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ダイヤモンド・オンライン編集部

IoTがもたらす破壊的インパクト【前編】
米国で起こり始めた大変革の鼓動

 また、創業100年を迎え、世界100ヵ国以上で事業展開をする空調設備会社の米トレインもIoTの活用を進めた企業だ。

 同社はビルに設置されるエアコンやヒーティングシステムなどの空調設備を納入していた。いわゆる、ハードウェアを売るというビジネスモデルだった。ところが、今は納入した空調設備の使用と保守・管理などのサービス料を得るビジネスモデルに転換した。

 同社は空調設備にセンサーを付け通信可能にし、稼働状態をすべてインターネット上で管理している。故障が起きたときはどこで、どのような原因で問題が起きているのか診断できる状態になっているほか、ユーザーであるビルの入居者に対して、設備のどのような使い方がいいのかというアドバイスを提供している。

 顧客からの連絡を受けていた従来のカスタマーサービス部門の役割は、当然ながら大きく変わった。納入した空調設備の状態をリアルタイムで把握できるため、能動的にカスタマーサービスができるようになる。単なる“コスト”であったカスタマーサービスが、今では売上を産む部門となったのだ。

 同社ではすでに、全社の売上高においてサービスの販売額は50%に達しているという。

 サーモフィッシャーの場合はIoTを活用して「安全」という新サービスを生みだした。一方、トレインは収益構造を大きく変えた。つまり、価値を生み出す源泉が大きくシフトしたのである。

経済効果は2025年6.2兆ドル
500億個のモノがネットにつながる

「PTC Live Global 2014」では多くの先進事例が紹介された。トヨタもその先進事例のひとつとして登壇。同社の開発、設計工程において、どのようにPTCの製品を使っているか発表された Photo:DOL

 上記の2つの事例が紹介されたのは、CAD(コンピューターによる設計やデザイン)ソフトのメーカーであり、PLM(Product Lifecycle Management:製品ライフサイクルマネジメント)ソリューションを開発する米PTCが、2014年6月に米ボストンで開催したカンファレンス「PTC live Global 2014」で紹介されたものだ。

 PTCは上記の2つの例を実現するためのツールを提供している会社ということになる。同様のソフトウェアやサービスを提供しているのはPTCだけではない。仏ダッソー・システムズと米シーメンスPLMソフトウェアが同社のライバルだ。

 IoTが産業界に浸透すれば、PTCのような企業にとっては大きなビジネスチャンスとなる。なぜなら、先述のサーモフィッシャーサイエンティフィックやトレインのように、リアルタイムでモノの状況のインターネットを介して掴み、それを活かしてビジネスをするということは、モノの情報をデジタルで一元管理する必要があり、そのときにCADやPLM、SLM(Service Lifecycle Management:サービスライフサイクルマネジメント)ソリューションが効果的だからだ。

 では、IoTはどのくらいのスピードで、どのくらいの規模で浸透するのだろうか。

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