7月27日、民主党がマニフェストを発表した。会場のホテルニューオータニには500人を超える報道陣が押しかけた。

 本コラムの読者ならばすでに知っている通り、民主党は記者会見をすべてのプレスに開放している。そのため、フリーランス、雑誌記者、海外メディアなどの記者たちも取材が可能であった。

 驚いたのは海外メディアの関心の高さである。会場には何台もの海外プレスのカメラが並び、記者たちがひっきりなしにリポートを送っている。

 こんな光景がかつてあっただろうか。それはあたかも内閣総理大臣の公約発表会見かのようであった。

 マニフェストは「政権公約」と訳されることからもわかる通り、政権獲得が期待される政党が、今後の数値目標や工程表などを具体的に示した上で、施政に関して有権者に約束するものである。

 そうした意味でいえば、自民党と民主党以外の政党の「マニフェスト」を、マニフェストと呼んでいいのか疑問の残るところだ。

 少なくともマニフェスト発祥の地・英国では、少数政党のそれは「マニフェスト」とは呼ばない。

民主党のマニフェストに
自民党閣僚が猛反発

 さて、今回のその民主党のマニフェストだが、柱となるものは、なんといっても207兆円規模の予算を全面的に組み替えて、税金の無駄遣いを止め、財源を捻出するというものである。

 それにより、政府は当面の間、消費税増税や国債の増発などの政策は控えることができる。それこそが民主党の最大の売りであり、「官僚政治」からの脱却につながるのだという。

 試算では、4年間で16.8兆円の財源を節約できることになっている。仮に捻出できなかった場合、鳩山由紀夫代表は、政治的な責任を取るとも明言している。

 この革命的な民主党のマニフェスト発表に対して、自民党の閣僚から猛反発の声が上がっている。