フィリピン 2014年8月8日

フィリピンの幼児教育はどうなっているのか

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者の ためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのフィリピンレポート。仕事のパートナーの息子の幼稚園選びを任された志賀さんが、体験入学で見たフィリピンの幼稚園事情。フィリピンの私立幼稚園・小学校では学校生活のすべてで英語での会話が義務付けられているという。 

 仕事の相棒ジェーンの息子KIANは今年で4歳になったが、最近とみに保育園をサボりがちになった。本人の言い分では、7~8人の児童が毎日ABCを練習するだけで、飽き飽きするということだ。

 いよいよ幼稚園入学の時期を迎えるKIANにとっては由々しき問題で、もっと本格的な幼稚園を探すことになったのだが、ママ・ジェーンが目をつけたのが「KID IN DAY SCHOOL」という、家から歩いて10分ほどのところにある私立幼稚園だ。そこで私が、KIANの体験入学に付き添うことになった。私の意見で入学するかどうかを決定するということなので、責任重大だ。

戸建ての住宅にいちどに50人、合計100人が学ぶ幼稚園

 外見は普通の住宅で、大型の戸建ての住宅を改造して幼稚園としている。我が家のあるSan Antonio Villageはビニャイ副大統領も住んでいる、そこそこの高級住宅街だから、中間層以上の子弟が通う幼稚園もたくさんあるようだ。

幼稚園といっても専用の建物が建設されているわけではなく、普通の住居を改造したものだ。フィリピンの古い住宅は馬鹿でかいので、こんなことが可能なのだ【撮影/志賀和民】

 幼稚園は午前と午後のクラスに分かれていて、それぞれ50人、合計100人の幼児が学んでいるそうだが、フィリピンの古い住宅はとてつもなく大きいからこんなことが可能なのだ。

 子どもたちは3歳から5歳児程度だが、とくに学年で分けているようでもなく、皆が一緒に遊んでおり、まさに保育所のような雰囲気だ。KIANもここが気に入ったようで、さっそく手をつないで他の園児と遊んでいた。

1日だけの体験入学なのにKIANは早速、他の子どもたちと手をつないで、楽しそうに遊んでいる。KIANにとっては楽しいことはよいことなのだ【撮影/志賀和民】

 しかし、遊んでばかりいるわけでもなさそうで、2~3人の園児に1人の先生がついて勉強やお絵描きをしている。皆がまとまって一斉に同じことをするのではなくて、ほとんどマンツーマンで教えているようだ。先生は10人くらいいるので、50人の園児を相手に、それぞれの年齢と到達度を考慮しながら家庭教師方式で教えている様子だ。これなら一律に勉強を強いるのではなくて、園児の個性にあった指導ができそうだ。

特に教室はなくて、あちらこちらにおかれたテーブルで、子どもたちが数人単位で、何かを学んでいる。ここでは、一律な教育ではなくて、子どもの個性に合った教育が行なわれている【撮影/志賀和民】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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