眠れない人がついついやりがちな
4つの悪習慣

 みなさんA氏が眠れない原因、おわかりになりましたか?
 答えは、次の4つの行動です。

 (1)仕事ばかりで運動はほとんどしない
 (2)時間がなくて寝る前に夕食をドカ食いする
 (3)コーヒーを時間構わず多飲する
 (4)ベッドに行く前にタバコを一服する

 それぞれを詳しく見てみましょう。

 まずは(1)の運動です。A氏のように仕事ばかりで運動する時間を確保できていないビジネスパーソンも多いことでしょう。日中の運動は心地よい体の疲労を生み、夜の眠気を誘います。実はこれだけで改善されるケースも意外と少なくありません。普段運動する習慣がない人は、まずはエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を使うなどの、日常の適度な運動から始めてみるだけでも効果が期待できるでしょう(もちろん、やりすぎは禁物です)。

 また、多忙なビジネスパーソンにとっては耳の痛い(2)の食事も、睡眠の質と大きな関係があります。夕食の時間も寸暇を惜しんで仕事をし、深夜近くに帰宅してすぐに夕食、食べ終わったらベッドへ直行……これは、眠れない人の典型的な生活スタイルです。よい眠りのためには、胃の中はいっぱいでもいけませんし、空っぽでもいけません。
 お腹いっぱいだと消化活動のために就寝後も胃が働き続け、興奮状態となってなかなか寝付けません。特に、タンパク質や脂肪を多く含んだ揚げ物や炒め物を消化するには4時間ほどかかります。
 つまり寝る直前にこうした重い食事をしてしまうと、胃の中でせっせと食べたものを消化している最中に眠りにつくことになります。当然ぐっすり眠るなんてできるはずがありません。朝起きたらなんとなく胃がもたれている……の原因はまさにこれ。目安として、夕食は眠りに入る3時間前までに済ませることを心がけてください。

 (3)の寝る前のコーヒーについては皆さんよくご存じのはずです。コーヒーに含まれているカフェインの覚醒作用によって頭がスッキリとして、眠たくなくなります。コーヒーを飲む場合は、睡眠4時間前までを原則としましょう。

 そして、(4)の就寝前のタバコも不眠の原因です。タバコに含まれるニコチンにも覚醒作用があるのです。タバコを吸うと頭がスッキリ、あの感覚です。ニコチンの体内での半減期は約2時間ですので、喫煙者は少なくともベッドに入る2時間前は禁煙してください。喫煙者の睡眠を調査した研究では、喫煙者は浅い眠りの人が多く、質のよい眠りがなかなか得られないという結果も出ています。さらに喫煙者はタバコを吸わない人に比べ、睡眠時無呼吸症候群になる確率が約2.5倍も高くなります。