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富士通、NEC、日立がグローバル競争で勝つには
――直近決算に見る国内IT大手の現状と課題

松岡 功 [ITジャーナリスト]
【第57回】 2014年8月12日
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富士通、NEC、日立製作所の国内IT大手3社がこのほど発表した直近の四半期決算によると、企業向けを中心としたB2BのIT事業はいずれも増収となり、堅調に推移しているように見える。しかし、海外の競合と比べると、決算から見る事業構造において、まだまだ課題がありそうだ。

富士通のB2BのIT事業は増収減益

 富士通、NEC、日立製作所の国内IT大手3社の2014年度第1四半期(2014年4~6月)の連結業績が出揃った。中でも3社が主力とする企業向けを中心としたB2BのIT事業ではいずれも増収となり、前年度から引き続いて堅調に推移しているようだ。

 まずは、3社それぞれのB2BのIT事業における業績を見ていこう。

富士通の決算会見に臨む塚野英博・執行役員常務兼CFO

 富士通におけるB2BのIT事業は、同社の決算セグメントでいうとテクノロジーソリューション事業に相当する。同社の2014年度第1四半期におけるテクノロジーソリューション事業の売上高は前年同期比4.5%増の7080億円。ただし営業利益は同20.7%減の114億円と減益にとどまった。

 そのうち、SI(システムインテグレーション)やインフラサービスなどからなるサービス事業は、売上高が前年同期比4.6%増の5805億円、営業利益が同21.1%減の131億円。システムプロダクトやネットワークプロダクトからなるシステムプラットフォーム事業は、売上高が同4.0%増の1275億円、営業利益としては17億円の赤字(前年同期は22億円の赤字)となった。

 同社の塚野英博・執行役員常務兼CFO(最高財務責任者)は、テクノロジーソリューション事業が減益となった理由について、「海外におけるインフラサービスの減収影響に加え、前年同期に欧州子会社の退職給付制度の一部バイアウトに伴う一時的な利益計上があったため」と説明した。

 なお、同事業の2014年度(2015年3月期)通期の業績見通しは、売上高で前年度比1.4%増の3兆2900億円、営業利益で同2.1%増の2380億円を予想。塚野氏は通期見通しについて、「サービス事業もシステムプラットフォーム事業も受注が堅調に推移している。プロダクトの成果は新製品投入も含めて下期に偏る傾向があるが、できるだけ前倒して収益をしっかりと確保するようにしたい」と語った。

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松岡 功 [ITジャーナリスト]

まつおか・いさお ITジャーナリストとして複数のメディアにコラムや解説記事を執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などで記者およびIT系月刊誌の編集長を歴任後、フリーに。主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。


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