近年の国語教育の問題
「感じ方は個人の自由」

 これは近年の国語教育にも関連する話なのですが、どうも最近は「感じ方は個人の自由」「多様性を大事にすべき」という風潮ばかりが強まっているように感じます。

 確かに小説を読んで「こんなふうに感じなさい」と感想まで強要するのは、問題があると思います。

 ただ、幼稚園や小学校低学年など、感情のあり方をあまり学んでいない段階で「ただ自由に感じればいい」と放り投げるのは行きすぎだと私は感じています。

 やはり親や学校は、ある程度は「正しい感情のあり方」「感情表現」をきちんと教えるべきではないでしょうか。

 決して、感じ方を強要するのではなく、そのシーンに含まれる「悲しみ」や「後悔」「切なさ」「やりきれなさ」を教えることも必要だと思うのです。

 そんな感情の動き、心のひだを学んだ後、その先で自分なりにどう感じるかは、それこそ個性や多様性を大事にすればいいのです。