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軟式高校野球の延長50回、Jリーグ過密日程……
選手に無理を強いる大会運営に見直しの機運

相沢光一 [スポーツライター]
【第314回】 2014年9月2日
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高校野球で延長なんと50回!
投手やナインの精神力には拍手だが……

 普通なら、ごく限られた関係者しか注目しない試合が、この週末は全国的な話題を集めた。全国高校軟式野球選手権の準決勝、中京(岐阜)-崇徳(広島)戦である。

 メディアがこぞって報じたから、詳しく紹介する必要はないだろうが、延長15回を3日間続け、4日目に突入。その31日(日曜)は5回に中京が3点を入れて決着がついたが、なんと延長50回を戦ったことになる。両校ともエースはひとり。中京の松井大河投手は709球、崇徳の石岡樹輝弥投手は689球を投げ切った。

 軟式は硬式に比べ得点が入りにくいといわれるが、よくここまでゼロ行進が続いたものだ。驚くのは両校ナインの精神力である。1日目の9回以降は「得点が入れば終わり」の緊張感を強いられたわけだ。しかも回が進めば進むほど選手は、これまでの仲間の頑張りを無にしてはいけないという意識が強くなり、エラーは絶対にできないと思っていたはずだ。そんな状況下、50回を戦い抜いたのだから、守備がよほど鍛えられていたのだろうし、気持ちも強かったのだろう。力投を続けた両エースだけでなく、ナインにも拍手を送りたい。

 この歴史的試合による波及効果は多かったようだ。同じ高校スポーツであり野球なのに、世間が注目するのは硬式の甲子園大会であり、軟式の全国大会が行われていることもあまり知られていなかった。それが一気に認知され、球場は満員になった。軟式野球の部員が減少している現状も伝えられたが、これで関心を持つ人も出てくるだろう。関係者は喜んでいるに違いない。

 両校の選手も得たものがある。試合の模様がテレビで放映され、いい思い出になっただろうし両校エースの名前は全国に知れ渡った。他の選手だって「あの延長50回の試合に出ていたんです」と言えば少なからずリスペクトされるはずだ。この試合の2時間ほど後に始まった中京―三浦学苑の決勝戦では崇徳ナインが中京を応援したそうだが、これもあり得ない激闘を体験した両校ナインに他者にはうかがい知れない連帯感が生まれたからだろう。

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相沢光一 [スポーツライター]

1956年埼玉県生まれ。野球、サッカーはもとより、マスコミに取り上げられる機会が少ないスポーツも地道に取材。そのためオリンピックイヤーは忙しくなる。著書にはアメリカンフットボールのチーム作りを描いた『勝利者』などがある。高校スポーツの競技別・県別ランキングをデータベース化したホームページも運営。 「高校スポーツウルトラランキング」


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